さて参議院選挙の投開票まであと4日です。
ご覧頂いているのは補欠選挙を除く2016年から実施された国政選挙における県内の投票率です。
投票率は軒並み低調で、6年前の参議院選挙では49%にとどまり、衆議院選挙でも去年50%を切り過去最低となりました。

こうした低い県内の投票率を高めたいと活動しているのがフェルト作家の神里菜月さんです。
選挙や政治について関心があまりないという方も神里さんの作品を見れば投票所に足を運びたくなるかもしれません。そのユニークな作品に迫ります。浅田記者のリポートです。

この猫、ただモノじゃありませんふてぶてしい顔で真っすぐこちらを見つめている…手にしているのは投票権?

作ったのは本部町のフェルト刺繍作家・神里菜月さんです。

神里さんは自然素材で染めた羊毛に丁寧に針を刺し生き物などをモチーフに命の温もりを感じる作品を製作し販売しています。

フェルト刺繍作家 神里菜月さん:
息子が凄く沖縄の魚が好きで。息子が好きなグッツって世の中に売ってなくて、息子はアニメとかも全然見なくて、お母さんが作ろうかって言って始めたのが最初だったんですけど、今は自分がただただ刺繍が好きで

そんな神里さんが今、熱心にとりかかっている作品があります。それは選挙にまつわるもの

フェルト刺繍作家 神里菜月さん:
うちの猫がヤモリを見ている時の顔にしたんですよ。真剣に向き合って一つ一つしっかり見て自分で考えて決める顔にしたいなって思って、うちの猫をモデル

ふてぶてしい顔の猫たちはただの可愛いだけではありません。社会と向き合う眼差しがどこか人間の姿とも重なります。

フェルト刺繍作家 神里菜月さん:
私も20代の頃には自分が(投票に)行っても何も変わらないって。その時の私が今のこの大変な世の中を作っている、ごめんなさいという気持ちが凄くあって

子どもの誕生で教育費や医療費など、社会との関りが深くなったことで政治に関心を持つようになりました。

自分の作品を通じて政治や選挙を考えるきっかけになってほしい、そんな願いが込められています。

フェルト刺繍作家 神里菜月さん:
投票率を上げたいですね、そのためには選挙や政治の話を私たち世代がもっとポップにできた方がいいと思っています。選挙や政治に関心がなくて、魚の刺繍とかを可愛いって見てくれてた人の目に入れば嬉しいなと思ってそういう刺繍を始めています

そんな想いが込められた作品の一つがこちら。上の文字は沖縄が誇る美しい珊瑚、下の文字は白く変わり果てた珊瑚添えられた投票の二文字。

フェルト刺繍作家 神里菜月さん:
私も子どもたちと海よく遊びにいくんですけど、浅瀬の方でもどんどん珊瑚って白化してて

こちらはヤンバルクイナの親子。足元に添えられた文字は「政治は暮らし」。

フェルト刺繍作家 神里菜月さん:
政治の根っこに生活者、私たちが絶対いないといけないし、暮らしっていうのは政治が作っている部分が沢山あるっていうのを表現したくて、家族のヤンバルクイナにしました

投票は暮らしを選ぶこと、神里さんはその気持ちを形にしました。

フェルト刺繍作家 神里菜月さん:
自分の子どもたちが大きくなって、沖縄で子育てしたいと思ってもらえるような沖縄を私たち作っているかなって。小さい仕事ですけど、みんなの一票一票にすごく大きな沖縄が良くなるための大きな一票だと思うので、それを絶対増やしていきたいです

フェルトの生き物たちが今日もそっと問いかけています。「あなたの一票でどんな社会をつくりますか?」

沖縄テレビ
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