今年5月、八代広域消防本部で、隊員が上司から突き飛ばされ、けがを負っていた問題の続報です。

TKUでは消防本部が実施したハラスメントアンケートの結果を独自に入手。取材を進めると、この問題以前にも過度なトレーニングの要求や暴言、暴行があったとする
回答があったことが分かりました。

【現職の隊員】
「一年以上前から噂になっていること。それでも改善せずに暴力まで発展したのはまずいなと思っている」

今年5月、八代広域消防本部で、30代の男性隊員が40代の男性消防司令補から暴言を吐かれ、突き飛ばされけがをしました。

複数の職員によりますと、消防本部は当初、「当事者同士で解決している」などとして職員からの訴えを受けたにもかかわらず、調査に消極的な姿勢を見せていましたが、調査委員会を立ち上げ、関係者からの事情聴取を始めました。

消防や警察、自衛隊内でのパワハラ問題に詳しい弁護士はこの問題について…

【光永 享央 弁護士】
「傷害罪に該当するようなレベルになっている。これはもうパワハラとしては〈一発アウト〉の部類」

この問題以外にも「組織内でパワハラが常態化している」との訴えがあったことが分かりました。

これは、八代広域消防本部が今年2月、242人の職員に対して行ったハラスメントアンケートの結果です。

筋トレの強要や、過度な負荷を求める強制的なトレーニングによるけが、そして上司による暴力。

さらに、アンケートには、「ハラスメント相談窓口が機能していない」という回答も…。

【現役職員証言】
「特定できるような内容なのに、誰なのか分からないような回答で『水面下でちゃんと調査してます』というようなことは言われているんですけど」

「日常的なセクハラを聞いた」
「長時間にわたる理不尽な注意」

アンケートの結果からは、ハラスメントが常態化し、適切な調査が機能していなかったことがうかがえます。

【光永 享央 弁護士】
「言っていないだけで似たような事案やもっとひどい事案もあったが、みんなグッとのみ込んでいたのだろうなというのも容易に想像できると思う。職場やその周辺とは
切り離された完全な第三者。チェックできる形でないと全く機能しない」

人命を救う組織内でのパワハラをどう改善していくのか?

八代広域消防本部はTKUの取材に対し、「調査委員会を立ち上げて調べている」
としています。

テレビ熊本
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