中国でスパイ行為に関与したとして起訴されたアステラス製薬の60代の日本人男性社員の判決公判が北京で開かれ、懲役3年6カ月の有罪判決が言い渡されました。
裁判は16日午前、北京市で開かれ、男性社員に対して、懲役3年6カ月の有罪判決が言い渡されました。
駐中国・金杉憲治大使:
中国における邦人拘束事案は、日中間の人的往来や、国民感情の改善を阻害する最大の要因の一つであります。引き続き、拘束中の邦人の方々の早期釈放を強く求める。
スパイ行為の具体的な内容について、金杉大使は男性の意向もあり、差し控えると説明しました。
2014年に「反スパイ法」が施行されて以降、中国ではこれまでに今回の男性を含め17人の日本人が拘束され、11人が実刑判決を受けています。
判決について中国外務省は会見で「中国は法治国家で司法機関は法に基づき対応している」と強調しました。
一方で「中国は日中の経済協力を一貫して支持し、日本企業の合法的な経営に良好な環境を提供している」とした上で「中国の法を守る限り不安に思う必要はない」と述べ、中国に住む日本人の懸念に反論しました。