スパイ行為に関与したとして、日本人男性に有罪判決です。中国・北京から、フジテレビ国際取材部・河村忠徳記者が中継でお伝えします。
中国でスパイ行為に関与したとして起訴されたアステラス製薬の60代の日本人男性の判決公判が、16日に北京で開かれ、懲役3年6カ月の有罪判決が言い渡されました。
裁判を傍聴した中国駐在の金杉大使は「中国における邦人拘束事案は、日中間の人的往来や、国民感情の改善を阻害する最大の要因の一つであります」と述べた上で、「中国の司法プロセスは必ずしも透明ではない。引き続き中国側への申し入れを行っていく」と明らかにしました。
2014年に「反スパイ法」が施行されて以降、中国ではこれまでに今回の男性を含め17人の日本人が拘束され、11人が実刑判決を受けています。
――16日の裁判で「反スパイ法」の容疑はどこまで明らかになった?
16日の裁判は、私たち日本メディアには公開されませんでした。
裁判を傍聴した金杉大使は、裁判は15分ほど行われたと明らかにした上で、冒頭、係員から法廷内でのルールの説明があったあと、すぐに裁判長が判決の読み上げを行ったと説明しました。
裁判には通訳もいましたが、判決を聞いた男性は特段の発言もなく終了したということです。
一方で、スパイ行為の具体的な内容については、男性の意向もあり差し控えると説明しました。
このため、スパイ行為の具体的な内容についてはわかっていません。
――今後の裁判の見通しはどのようになるのでしょうか?
中国の裁判は二審制で、今回は一審判決にあたります。
金杉大使は16日の会見で、午後に男性と領事面会を行う予定と話しました。
この領事面会で、男性が控訴するかどうかの意向を確認するとみられます。
しかし、きょう一審判決は出ましたが、中国に駐在する日本人にとって、中国の不透明な司法制度への懸念は残ったままといえます。