それは、精神科への世間的なイメージを考慮してハードルを下げるため。加えて、心療内科の医師も、経営的な理由から精神科と並列した看板を掲げている場合も多いという状況です。心療内科の医師に診てもらいたいと思っても、すぐに見分けがつかないことがあるかもしれません。

より心療内科に特化した診療を希望される場合は、医師の経歴をホームページなどで見てみるのもよいでしょう。心療内科での勤務経験や心療内科専門医、日本心身医学会所属などの記載があるかを確認してみましょう。一方、経歴が精神科中心であったり、精神保健指定医などと書かれていたりする場合は精神科が専門であることが多いです。精神科医でも心療内科医の学会に所属している場合もありますが、まずは1つの目安として経歴を確認してみてください。
体に不調があるけれど、どの病院を受診すればいいのか迷ってしまう。検査をしてみたけど、特に異常がない。そんなときは、ぜひ心療内科という選択肢を思い出してみてください。ちょっとした不調は、体からのサインです。病気を防ぐためには、早期に対処することが大事なのです。
森下克也(もりした・かつや)
心療内科医、医学博士、もりしたクリニック院長。著書に『もし、部下が適応障害になったら』『うちの子が「朝、起きられない」にはワケがある 親子で治す起立性調節障害』(CCCメディアハウス)など多数。
構成=高木さおり