それは、精神科への世間的なイメージを考慮してハードルを下げるため。加えて、心療内科の医師も、経営的な理由から精神科と並列した看板を掲げている場合も多いという状況です。心療内科の医師に診てもらいたいと思っても、すぐに見分けがつかないことがあるかもしれません。

心療内科と精神科を一緒に掲げているクリニックは多い(画像はイメージ)
心療内科と精神科を一緒に掲げているクリニックは多い(画像はイメージ)

より心療内科に特化した診療を希望される場合は、医師の経歴をホームページなどで見てみるのもよいでしょう。心療内科での勤務経験や心療内科専門医、日本心身医学会所属などの記載があるかを確認してみましょう。一方、経歴が精神科中心であったり、精神保健指定医などと書かれていたりする場合は精神科が専門であることが多いです。精神科医でも心療内科医の学会に所属している場合もありますが、まずは1つの目安として経歴を確認してみてください。

体に不調があるけれど、どの病院を受診すればいいのか迷ってしまう。検査をしてみたけど、特に異常がない。そんなときは、ぜひ心療内科という選択肢を思い出してみてください。ちょっとした不調は、体からのサインです。病気を防ぐためには、早期に対処することが大事なのです。

森下克也(もりした・かつや)
心療内科医、医学博士、もりしたクリニック院長。著書に『もし、部下が適応障害になったら』『うちの子が「朝、起きられない」にはワケがある 親子で治す起立性調節障害』(CCCメディアハウス)など多数。

構成=高木さおり

森下克也
森下克也

1962年、高知県生まれ。医学博士、もりしたクリニック院長。久留米大学医学部卒業後、浜松医科大学心療内科にて、漢方と心療内科の研鑽を積む。浜松赤十字病院、法務省矯正局、豊橋光生会病院心療内科部長を経て現職。心療内科医として、日々全国から訪れる、うつや睡眠障害、不定愁訴の患者に対し、きめ細やかな治療で応じている。著書も多数執筆し、代表作は『もし、部下が適応障害になったら』『うちの子が「朝、起きられない」にはワケがある 親子で治す起立性調節障害』(CCCメディアハウス)など。