設備の老朽化やコスト削減のため、学校内の調理室で給食を作る学校が少なくなりつつあります。

八代郡氷川町も町内の給食センターで調理を一元化する計画を進めていて、町内では学校で作る最後の一校だった中学校を取材しました。

【生徒たち】
「おいしそう、きょうの給食」
「めっちゃうまそう」

氷川町立氷川中学校では、1987年に学校内に給食棟が造られて以降、約40年にわたって生徒たちに出来たての給食を提供してきました。

主食や副菜はもちろん、デザートのほか、パンも手作り。

生徒たちから人気を集めてきましたが、7月、その歴史に幕を下ろそうとしています。

建物の老朽化や安全基準の変化などにより、〈給食センターで調理する方が効率的〉などとして、町は7年前から町内の学校給食を給食センターに一元化する計画を進めています。

学校の給食棟で作るいわゆる『自校方式』は、町内では氷川中学校が最後の一校となっていました。

熊本県内45市町村のうち、25の自治体が『給食センター式』のみ、『自校方式』を採っている自治体は八つです。

『自校方式』は出来上がりから提供までの時間が短い一方で、設備や食材・人件コストが『給食センター式』よりかかります。

熊本県教育委員会によりますと、「ここ数年で給食センター式に変更する自治体が増えてきた」といいます。

校内の給食棟で調理するのは残り1週間。氷川中学校で20年以上調理してきた高田 真紀 さんはこう振り返ります。

【調理員(勤続20年以上)高田 真紀 さん】
「子どもたちの声、取りに来た時に『いただきます』『ごちそうさまでした』『おいしかったです』と言ってくれるので、その声が活力となって、明日も頑張ろうと(続けてきた)」

この日のメニューは、鮭と卵といんげんの三食まぜごはんとつみれ汁、デザートはコーヒーゼリーです。栄養教諭と調理員が栄養バランスなどを考えたアレンジメニューです。

【3年生】
「温かくて、おいしいです」
「ご飯がおいしかったです。いろいろな種類の給食を作ってくれるのが本当に助かるなと思っています」
「大変だと思いますが、おいしいので大好きです。(野球部に所属していて)給食で力をつけて勝つことができた試合もいっぱいあるので感謝しています」

【栄養教諭 稲田 愛 さん】
「いろいろな手作りメニューがあって配送時間がない分、子どもたちに出来たてを食べてもらえるのが自校給食の良さだと感じています。それがなくなってしまうのは率直に悲しい気持ちがあるのですが、2学期からは給食センターで引き続き調理の先生と協力しておいしい給食を安全に届けられるように頑張っていきたいと思っています」

1学期が終わるまであと少し。生徒たちはこれまでの感謝の気持ちを込めて給食の時間を過ごします。

氷川中学校の終業式は7月18日で、学校で作る給食が提供されるのは17日までとなっています。

テレビ熊本
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