ハンセン病療養所の入所者の支援などを行うボランティア団体が岡山市にあります。仲間を増やしハンセン病の偏見・差別解消に取り組むボランティアの思いに迫りました。

(ゆいの会 近藤剛会長)
「人権が侵害されない誰も差別を受けない社会を作っていきたい、そのためには歴史をきちんと学んでもらい一人でも多くの人に伝えてもらうことが重要」

ボランティア団体「ゆいの会」の会長を務める弁護士の近藤剛さんです。「ゆいの会」の活動が始まったのは2003年、ハンセン病患者を隔離する「らい予防法」は違憲だと判断された国家賠償請求訴訟の原告団だった弁護士が中心となり、立ち上げたものです。

(ゆいの会 近藤剛会長)
「法律家や医学会、そういう人たちが立ち上がっていればもっと早く確実に(らい予防法)がなくなって(いたのでは)弁護士としてではなく人間として、取り組んでいきたいとの思い」

「ゆいの会」は、毎年7月ごろ、一般の人を対象に、ハンセン病の歴史や入所者の実情を学ぶボランティア研修会を開いています。ボランティアはこれまで瀬戸内市にある2つのハンセン病療養所で入所者の外出補助やイベントの手伝いなどを行ってきました。

5年前には、かつて長島愛生園の入所者が暮らしていた「十坪住宅」を修復保存しました。「十坪住宅」は、定員を超えて収容された入所者たちの住まいで、夫婦が6畳2間に、4組暮らしていたとされています。当時の暮らしぶりを伝える貴重な建物です。

(十坪住宅にいた女性)
「布団を敷いたら布団と布団の端がよく重なった、それがものすごく嫌だった」

ゆいの会では、動画を制作してSNSで配信するなど、啓発活動を行うほか、建物の掃除や管理を続けています。

(ゆいの会 近藤剛会長)
「こういう活動を通じて、全ての人が差別も人権侵害も受けない社会を作っていきたい」
「みんながひとごとではなく、自分事、自分が相手の立場だったらどうかということを考えてもらう重要なきっかけになればと思う」

ボランティア研修会は、7月19日に瀬戸内市で開かれます。

岡山放送
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