今月20日投開票の参議院議員選挙。

選挙戦が中盤戦に突入し、各候補、遊説を続けていますが、もう一方で力を入れているのがSNSでの発信です。

どんな発信に力を入れ、有権者はどう捉えているのか、取材しました。

今や選挙活動に欠かせないSNS。

撮影や投稿は、移動中や休憩時間に行われています。

参政党・新人の田保候補は自らの「アクリルスタンド」を武器に、Xでの発信を続けています。

*参政・新 田保智世候補
「一人ひとりにちゃんと言葉が届くのがSNSのよいところ。SNSがなければ参政党のような小さな政党は皆さんに挨拶できるようなことはなかったと思う」

Xでは党の公約や主張の発信に力を入れています。

*国民民主・新 庭田幸恵候補
「いちばん頻繁にあげているのはX。1日平均4~5回投稿。『(演説を)短くでもいいからYouTubeに投稿して』とリクエストもきている」

国民民主党・新人の庭田候補は複数のSNSを全て自分で運営しています。

NHK党・新人の佐藤候補はXで党の主張の発信に力を入れています。

自民党・現職の堂故候補は50人ほどが連携し、およそ1分未満のショート動画に力を入れています。

*自民・現 堂故茂候補
「新しいものを学ぼうとする謙虚さが一番大事。(県民から)『もうちょっと笑顔のほうがいい』などアドバイスをもらう」

共産党・新人の坂本候補は若い世代へ訴えを届ける手段として、SNSをフル活用しています。

*共産・新 坂本洋史候補
「TikTokライブは若い人たちがよく見ているので、そういう人に届くように」

SNSと政治に詳しい専門家は、「候補者のSNS発信は有権者にメリットがある」としたうえで、各候補者の「動画」での発信に注目しています。

*SNSと選挙に詳しい 立命館大学 産業社会部 谷原つかさ准教授
「昨年の一連の選挙でいちばん違ったことは「動画メディア」が伸びたこと。YouTubeやTikTokなどの動画メディアはテキストメディアよりはるかに情報量が多い。有権者に一定の影響を与えると思う。有権者の共感を得られた場合、その候補者の支持につながるものだと思う」

各政党の主張だけでなく、政党の雰囲気や候補者の人柄がより伝わる動画。

富山選挙区の候補者の中には40万回以上再生されている動画もあります。

こうしたSNSでの発信は有権者にどううつっているのでしょうか。

Q.候補者のSNS見たことは?
*20代
「全然知らなかった。どんな政策か知りたいので(SNSなどで知れるのは)ありがたい」
*20代
「(候補者の投稿を)見たことはある、Instagramの動画で。情報が得られる、投票の基準にもなる」
Q.選挙権をもったとき、SNSを見て判断する可能性は?
*17歳・高校3年生
「ある。SNSの方が身近だから」

しかし、世代が変わると…

*80代
「(政党の)広報紙や新聞を見て決める。それで大体判断できる」
*70代
「ニセ情報があるというから、どれを信じるか判断がつかないから(政治の)YouTubeやSNSは見ない」

SNSの活用がより盛んになっている今回の選挙。

専門家は正しい情報を得るために注意が必要と話します。

*SNSと選挙に詳しい 立命館大学 産業社会部 谷原つかさ准教授
「情報のうち、事実関係に関する部分と発信者の意見や主張に関する部分と区別して摂取しましょう。SNSに限らず、曖昧な情報に接したときは飛びつかず、やり過ごす、スルースキルが必要」

候補者や政党の主張により気軽に触れられるようになった反面、「事実」と「意見」を区別して吸収することが必要ですね。

富山テレビ
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