連日熱戦が続く高校野球です。2021年、夏の甲子園に初出場した東北学院が、7月11日に初戦を迎えました。この夏特別な思いを持って挑むキャプテンに迫ります。
4年ぶりの夏の甲子園へ。11日、富谷との1回戦に臨んだ東北学院高校。89人の部員をまとめるのがキャプテンの小野彰真選手です。
東北学院 小野彰真主将(3年)
「自分の父は野球経験がなくて、一緒に学びながらやってきた」
小学3年生で野球を始めてから父・敏之さんと野球に打ち込んできた小野選手。しかし…。
東北学院 小野彰真主将(3年)
「最後までしっかり自分の姿を球場に足を運んで見てもらいたかった。突然ではあったんですけど、(父・敏之さんが)脳出血で亡くなってしまった」
去年11月、敏之さんは病気のため48歳の若さでこの世を去りました。あまりにも早すぎる父との突然の別れ。
東北学院 小野彰真主将(3年)
「一緒にずっと野球をやってきた父だったので、すごく大きな存在がなくなってしまった。プレーやその準備に、特に亡くなったすぐのころは、すごく影響が残っていた」
それでも小野選手には「父と交わした約束」がありました。
東北学院 小野彰真主将(3年)
「夢舞台の甲子園に何としても出場しようっていう約束をしてました。必ずどこかで父は見てくれていると思う」
再び前に進みだした小野選手。
「天国の父とともにー」。
約束の地・甲子園をかけた最後の夏に挑みます。
東北学院 小野彰真主将(3年)
「父は“チームのために貢献する姿が好き”だった。自分が活躍する姿を父に見せられたら」
7月11日はベンチスタートとなった小野選手。母・裕美さんはスタンドで見守ります。
母・裕美さん
「父親も望むように、全力でチームに貢献できるように頑張ってもらいたい」
先制に成功した東北学院は3回。富谷に攻め立てられ一打同点のピンチ。小野選手はベンチからチームを鼓舞します。
東北学院 小野彰真主将(3年)
「自分から声を出して、ベンチにも周りにも仲間がいるよということを伝えるために声を出していました」
ここは、ベンチからの声に後押しされたエース・荒投手がピンチをしのぎます。
すると直後の4回、東北学院が2点を追加し、なおも満塁のチャンス。3番・新原選手の打球は右中間へ!3塁コーチャーの小野選手が腕を回し3人のランナーが一気にホームイン!東北学院が中盤に突き放します。
出番がなかったもののチームの勝利に確かに貢献した小野選手。父との約束への第一歩を踏み出しました。
東北学院 小野彰真主将(3年)
「チームのために働いたのはお父さんにも届いていると思いますし、甲子園に一歩近づけたとことはすごく大きかったと思います」
Q.お父さんに何と報告したい?
「まだここから強くなるし、まだみんなと野球ができるよということを伝えたい」