漁獲量が減少している瀬戸内海のイイダコを増やそうと、水産試験場で完全養殖されたイイダコが7月9日、香川県宇多津町沖に放流されました。
大きさ約3センチのイイダコ、ふ化してから約1カ月です。9日に放流された、2509匹のうち281匹が完全養殖で生まれました。
完全養殖は、人工飼育したイイダコの卵をふ化させたもので、2024年、世界で初めて香川県水産試験場が成功しました。9日は、漁業関係者がイイダコを乗せて香川県宇多津町の北浦漁港を出港し、沖合約800メートルの地点で次々と放流しました。
(中讃地区底曳網協議会 丸本裕司代表)
「水産試験場が頑張ってくれた結果でうれしい限り。これを続けて2・3年後に少しでも形に見えるような感じにできたら」
(宇多津町 谷川俊博町長)
「イイダコの放流をして、取ることから育てることにシフトして瀬戸内の海が豊かになれば」
香川県によりますとイイダコの漁獲量は2002年には200トン近くありましたが、2024は2.1トンまで減っていて、県ではこうした放流などを通じて、イイダコの数を増やしていければと話しています。