2025年3回目となる猛暑日となった東京。
全国で猛暑日となったのは129地点。真夏日は525地点を観測しました。
そんな早すぎる真夏並みの気温に包まれた列島で異変が起きています。
梅雨明けした広島市からは「セミ鳴かないなってずっと思ってた。夏感がセミが鳴かないと感じられないので、まだかなと思っていた」との声が。
平年に比べ、2週間から3週間ほど早く梅雨明けした西日本。
梅雨明けすれば聞こえてくるイメージのセミの大合唱ですが、2025年は聞こえてこないといいます。
街の人:
初めてかも、今年(セミの声)聞くの。
なぜセミの鳴き声が聞こえてこないのか。
虫の生態に詳しい2人に話を聞きました。
東洋産業・大野竜徳さん:
急激に暑くなってしまったということで、セミも夏バテのように暑くなりすぎると動けなくなってしまう。
大野氏によると、2025年の梅雨が短かったことも影響したのではないかといいます。
木に樹液が少なく、セミが羽化するためのエネルギーを蓄えることができなかったのではないかという推測です。
一方、セミは例年どおりの時期に出てきており、あくまでも“人が抱く違和感”だという指摘も。
追手門学院大学・初宿成彦非常勤講師:
セミは梅雨が早く明けようが遅く明けようがあまり関係なく、普通通りの季節に出てくる。「気温もすごく高い、気分は夏なのにセミが鳴いていない」という違和感。それだけだと思う。
セミが鳴き始める時期のポイントは、4月~6月にかけての気温。
高めに推移すれば早めに出てきて、低い場合は遅く出てくるといいます。
梅雨明け前の東京では、ひと足早くセミの鳴き声が聞こえ始めてきました。
夏の風物詩ではありますが、聞こえたら聞こえたで、「セミが鳴くと体感温度2度くらい上がるので、鳴かないでくれたほうがありがたい」という気持ちになる人も。
実際、このところの高温で鳴かなくなってきているセミもいるといいます。
東洋産業・大野竜徳さん:
クマゼミの場合は、暑くても32~33度くらいまでしか鳴けない。気温がずっと上がってきて、33度、35度を超えてくるような時間帯になると、セミが鳴かなくなるから、余計にセミがいないという感じの感覚を受ける。
夏の本番は、まだこれから。
暑さが続く中、今後はどうなっていくのでしょうか。
東洋産業・大野竜徳さん:
セミの幼虫が全滅したわけではないので、じっと地面の下でタイミングを計っているように待っている。
追手門学院大学・初宿成彦非常勤講師:
ここのところ大変気温の高い状況だが、今現在のセミに対する影響は特にない。
夏を告げる2025年のセミの大合唱はもうすぐやってくるようです。