日本や韓国など東アジアの4チームが、総当たり戦で戦う『E-1サッカー選手権』。初戦の香港戦にはアビスパ福岡から24年ぶりの代表選出となったディフェンダーの安藤智哉選手(26)が先発出場した。試合は6対1で日本が快勝。フル出場した安藤選手は、初めての代表戦で存在感を示した。

アビスパでのプレーは4シーズン

クラブ創立30周年を迎えたサッカーJリーグのアビスパ福岡。2025年シーズンもJ1で熱い戦いを繰り広げている。

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6月21日に福岡で開催されたホームゲームに久し振りに姿を見せたのはアビスパOBで元日本代表の丹羽大輝選手(39)だ。またこの日は、イングランドのプレミアリーグ、アーセナルでプレーした冨安健洋選手(26)も駆け付け、レジェンドOBの登場にサポーターからは大きな歓声が上がった。

「アビスパには2008年から2011年、4シーズン福岡にいたので懐かしいですね」と語る丹羽選手。アビスパでは熱いプレーでチームを牽引、キャプテンも務めた。

39歳になった現在もスペインで、現役選手としてプレー。今シーズンはスペイン4部リーグで優勝も果たした。「当時は20代前半で若かったですけど、自分のプロとしての基盤、基礎を作ってもらった時期だったな」とアビスパ時代を振り返る。

サッカーが街に根付くように

この日、丹羽選手が向かったのは、アビスパサッカースクールの会場。丹羽選手は、全国の子どもたちにサッカーゴールを届ける活動を行っている。その名も『ニワゴールプロジェクト』。サッカーに親しむ子どもたちに使ってもらえるよう練習用のサッカーゴールを寄付し続けているのだ。

「スペインではサッカーゴールが、ありとあらゆるところに置かれていて、勝手にサッカーができる環境がある。サッカーが福岡の街に根付くきっかけ作りをしたい。スペインに行って自分がやるべきことは『まだあるな』と思った」と4年間暮らしているスペインで見かける風景がそのきっかけになったと丹羽選手は話す。

丹羽選手の活動を聞いて駆け付けたアビスパの現役選手、紺野和也選手(27)は「素晴らしい取り組みだと思います。自分もプロとしてやらせてもらっているなかで、少しでも力になれればなと思っていたので今回、参加できて良かったです」と子どもたちに交じってボールを追いかけていた。

原点は福岡 そして東日本大震災

現役選手もサッカーの力で社会に貢献できないか。そう考える丹羽選手の取り組みの始まりは、世界へと羽ばたくための力を育んでくれた福岡の街、そしてアビスパだった。

「僕がアビスパに在籍していたとき、2011年3月に東日本大震災があって、被災地にサッカーボールを寄贈することで復興支援活動を始めさせてもらった。今は、サッカーボールに変えてサッカーゴールを全国各地にプレゼントしている。こういうかたちで福岡県と関わることができてすごく幸せです」と丹羽選手は語る。

あれから14年。その間、アビスパはJ1で実力をつけカップ戦優勝、日本代表選手も誕生した。丹羽選手もOBとしてサッカー選手を育てる、福岡という街のポテンシャルに期待を寄せている。

「街を挙げて地域を挙げて、クラブを後押ししてもらいたい。アビスパのアカデミー出身で、日本代表の選手が出ることに意味がある。ここの練習場から代表選手が出ることで地元の選手を、応援すると思うし、A代表に入って、福岡だけにとどまらず世界に羽ばたいて欲しい」

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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