自民党派閥の政治資金パーティーの裏金事件を巡り、富山県選出の国会議員への告発状を検察が故意に受理しなかったとし、国に賠償を求めた裁判で富山地方裁判所は原告の訴えを退けました。

訴えを起こしていたのは、水谷敏彦弁護士など5人です。

この裁判は去年8月、県選出の野上浩太郎参議院議員と田畑裕明衆議院議員が派閥から受け取ったキックバックなどについて、水谷弁護士らが刑事告発したところ、富山地方検察庁が告発状を4カ月以上故意に受理せず、精神的苦痛を負ったとして国に慰謝料など約60万円を支払うよう求めたものです。
9日の判決言い渡しで、富山地裁の矢口俊哉裁判長は「刑事告発は捜査機関に捜査の端緒を与えるものにすぎず、直ちに受理しなかったことで原告らの利益が侵害されたとはいえない」などとして原告の訴えを退けました。


*原告 水谷敏彦弁護士
「納得できない。残念。控訴して高等裁判所の判断を仰ぐことになる」

*原告の男性
「司法の壁は厚いというより近寄らせないという感覚を受けた」
告発状は、提出してから4カ月以上経った去年12月に富山地検が受理し、議員2人を不起訴処分としました。
これに、原告らが検察審査会に審査を申し立てたところ、審査会は「十分な捜査が尽くされたとは言い難い」とし「不起訴不当」と議決。
現在、富山地検が改めて捜査しています。