7月9日に開幕する夏の高校野球岩手県大会の注目校・花巻東(岩手県花巻市)は、2025年の春のセンバツではベスト8の成績を収めました。
しかし春の県大会では初戦で敗れ、夏の大会で18年ぶりノーシードから3連覇を目指します。
花巻東硬式野球部は、夏の県大会は現在(2025年時点)2連覇中、これまでに12回の夏の甲子園出場を誇る県内屈指の強豪です。
2025年の春のセンバツでは東京代表の二松学舎大附属など強豪校を撃破し、7年ぶりにベスト8の好成績を収めました。
全国トップクラスの実力がある2025年のチームですが、優勝候補の一角として臨んだ春の県大会では初戦で守備の乱れなどがあり、接戦の末、6対7で盛岡一高に破れ18年ぶりのノーシードとなりました。
花巻東(3年)中村耕太朗主将
「チームの中で緩みが出た部分が本当にあって、負けを自覚した中で次にどうこの失敗を生かしていくかが勝負だと話しながら向き合ってきた」
チームは何度もミーティングを重ねた結果、敗因は気の緩みにあったと結論付け、カバーリングや声だしなど基本的なプレーから全力を尽くすことを心掛けてきました。
夏に向けては「守り勝つ野球」をテーマに守備練習に多くの時間を割いています。
花巻東・佐々木洋監督
「低反発のバットになってバッティングは水ものだと感じてるので、改めて夏勝つのであればピッチャーを含めたディフェンスだと思う」
佐々木洋監督が勝利のキーマンとしてあげる1人が、多彩な投手陣の大黒柱を担う3年生の金野快投手です。春のセンバツでは140km/hを超えるストレートと落差の大きいフォークを武器にエースとして3試合で14イニングに登板しました。
花巻東(3年)金野快投手
「(センバツで)感じたことは甘いコースに行って、簡単に打たれることが多かったので、この夏に向けてはコントロールと球速の部分で強化してきた」
またセンバツ後は新たにカーブを覚えたことで緩急をつけた投球ができるようになりました。
一方、2025年は打撃力も定評があります。
2年生の古城大翔選手は身長182cm・体重90kgの体格から繰り出す鋭いスイングが魅力のスラッガーです。
2024年の夏の甲子園では1年生ながら4番に座り2安打をマークし、夏に向けスイングスピードにさらに磨きをかけてきました。
花巻東(2年)古城大翔選手
「長打力は一番の強みだと思っている。県大会ではそれが発揮できなかったので、夏もう一度このチームのために自分の一打出してやるという思い」
心を一つに一戦必勝を誓う花巻東、佐々木監督が全幅の信頼を寄せる中村主将も強い思いで最後の夏に臨みます。
花巻東(3年)中村耕太朗主将
「最後の大会にかける思いは並々ならぬ思いが3年生中心にある。一戦必勝でとにかく一戦一戦を大切にして戦っていきたい」
県勢史上初の3連覇へノーシードから花巻東の夏が始まります。