第二次世界大戦後、日本を占領統治した連合国軍総司令部・GHQが島根大学に対し、集会やデモの禁止を命令した事を記した文書が、大学の附属図書館で見つかりました。占領下の思想排除を示す貴重な資料です。

「集会は当分の間これを行うことはできない。違反のものは公務妨害罪に問われる」

これは、GHQから受けた集会・デモ禁止の命令を島根大学の職員に告げた文書です。この文書は、6月中旬に島根大学附属図書館で、職員の小林奈緒子さんが書庫の中にあるのを見つけました。

島根大学・小林奈緒子さん:
たまたま手に取ったらあった。開いたらここに挟まっていた。

小林さんは、手に取って広げてみるとGHQと島根大学の文字が目に飛び込んできたので、急いで文字起こしをしたといいます。

島根大学・小林奈緒子さん:
ぞわっとした感じ、こういうのが残っていたんだなということに驚きました。

文書には「昭和25年6月、国警隊長よりの電話で谷本教授出向く」とあり、当時の国家警察からの命令を大学の教授が受けたことが記されています。
そしてGHQ公安課長から集会・デモを禁止することが命令されたと記載されていて、共産主義など特定の思想を排除しようとした占領下の動きが山陰でも身近な大学で起きていた事を知ることができます。

この文書は、島根大学附属図書館で8日から始まった企画展で公開されています。

企画展に訪れた学生:
今とは違うなと思いましたし、自由に勉強できる環境に恵まれてよかったなと思いました。

この企画展は、9月25日まで開かれています。

TSKさんいん中央テレビ
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