AIと共に学ぶ英会話の授業が、富山県の朝日町立さみさと小学校で行われている。小学5年生21人が参加するこの取り組みは、文部科学省の事業の一環として注目を集めている。

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AIを「英会話パートナー」に、児童の学びを支援

「AIと一緒に単語だけではなく会話をしたり、日常で使えるような英語を練習していきたい」

朝日町立さみさと小学校で公開された授業では、児童たちがタブレットを通じてAIと英会話を楽しむ姿が見られた。この授業は文部科学省が推進する「教師とAIを組み合わせた指導モデルの構築を図る事業」の一環として実施されている。

児童たちは「What do you want to be?」とAIが発する英語を聞き、同じように発音する練習に取り組んでいた。タブレットに導入されたアプリには、単語・熟語の学習からAIとの会話練習、そして児童同士の実践へとつなげる三段階の指導システムが組み込まれている。

即時フィードバックで学習意欲向上、自主学習も促進

このアプリの特徴は、AIが児童の発音や語彙を即時にフィードバックし、点数化する機能にある。数値として見える形で評価されることで、児童一人ひとりの学習意欲を引き出し、それぞれのレベルに応じた学習が可能になるという。

「先生がいなくても自分で勉強できるから、家でも勉強できて英語の力が伸びてきている気がする」と話す児童もおり、自主学習への意欲も高まっていることがうかがえる。

金森忍英語専科教員は「もうちょっと聞いてみようとか、もうちょっと言ってみようとか、そういう姿が見られるようになった」と手ごたえを感じている様子だ。

小学校英語教育の転換期、AIの可能性を探る

このアプリを活用した英語の授業は先月から始まっており、全国的にも珍しい取り組みとして注目されている。

木村博明教育長は「中学校段階ではなくて、この教科化が始まる小学校の最初の段階でいいスタートを切れるかどうか。これが肝心だと思う」と小学校での英語教育の重要性を強調する。

小学校で英語が教科化されてから5年が経過した今、AIを「英会話のパートナー」として活用することで、児童が英語を楽しく学び、自然に身につけるための新たな可能性が模索されている。

富山テレビ
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