福井県内最大のメロンの産地、坂井北部丘陵地に色の違う3種類のメロンを吊るして栽培する農家がいます。もうすぐ収穫期を迎えるハウスを取材しました。
あわら市山十楽に並ぶ3つの農業用ハウス。
倉地恵利アナウンサー:
「こちらのハウスでは、黄緑色のメロン、そして珍しい黄色のメロン、さらに奥には 深い緑色のメロン、この3種類のメロンを吊り下げて栽培しています」
この3種類のメロンを栽培するのは、メロン栽培歴35年の上出儀作さん(78)です。
まず案内してくれたのは、この地区では育てているのが1軒のみという黄色のメロンのハウスです。
「黄色い美しい香りと書いて、黄美香(きみか)です」
黄美香は、1玉3500円ほどで売られる高級メロン。「エグみがなくて、糖度はマックス18度、香りも抜群に良いです」と上出さん。
こだわりは、メロンの実を針金で吊るして育てることだといいます。「地面が大きく空くことで、つるが地面についていない。だから熱に強いんです」
メロンは通常、地面に這わせたり、支柱を使ったりして栽培します。これらの方法と比べて実の個数は減りますが、吊り下げるとで▼熱による痛みが少ない▼実が大きく育つ▼網目の入りが良くなるといったメリットがあるといいます。
また、実の生育状況に合わせて高さを3段階に分けて上げていき、地面から反射する熱の当たり具合を調節できるという利点もあります。
他のハウスには、うすい黄緑色の「赤アンデス」という品種が育てられていました。外側とは違い、果肉は濃いオレンジ色をしています。
そして深い緑色のメロンは、上出さんが初めて挑戦したという「ペルル」という品種。大きな楕円型に実っています。
葉が少し枯れてくると収穫のサインだそうです。
収穫は1週間後の予定とのことですが、すでに収穫しても良い状態の実を試食させてもらいました。
倉地恵利アナウンサー:
「収穫したばかりのペルルをいただきます。うん!すごくジューシー!さっぱりとした甘さで後味がすっきりしています」
猛暑が続いていますが、最後の仕上げとなる収穫前は、極力水をやらずにベストな状態に持っていくそうです。
「あまり水をやりすぎると甘みが欠乏しちゃうので、メロンちゃん、がんばって生きてください!ということです」
40度以上にもなるハウスの中で元気に作業をする78歳の上出さん。「やっぱりつくるからには笑顔で美味しかったよと言ってもらえるのが一番。風の便りで美味しかったと聞くと、あ~って思いますね」
厳しい暑さの中、上出さんの3種類のメロンはいよいよ収穫期を迎えます。あわら市のきららの丘などで販売される予定です。