人手不足の解消に向け、福井県内でも外国人労働者の雇用が進んでいます。ただ、農業分野での雇用は外国人労働者のわずか1パーセントにとどまっています。県は、農業分野での受け入れを勧めようと8日、外国人を雇用している農園の現地視察を実施しました。
  
現地視察が行われた坂井市にある本原農園では、4月からインドネシア人のムスリ・ハトさんとリカさんが働いています。本原農園ではコメや麦、大豆、ニンジンなどを栽培していて、2人は補助的な仕事をこなしながら、今後は本格的に農業を学んでいきます。
  
視察に参加したのは、県内の農家やJAの担当者ら約20人です。農業分野での外国人材受け入れを進めようと、県がこの現地視察を企画しました。
  
本原農園では、作業はすべて日本語でやり取りしていますが、難しい言葉はスマートフォンの翻訳機能を利用するため、意思疎通に問題はないといいます。
  
視察した農家は「坂井市で農家をしている。日本人の若い人材が中々集まらない現状があるので、既に外国人材を1人雇用しているが、他の事例も勉強するために研修会に参加した」と話します。
  
こうした視察が開催される背景には、他の業種に比べて農業分野で働く外国人材の雇用が進まないという現状があります。
  
2024年10月時点での県内の外国人労働者数は1万3594人。このうち農業分野で働くのはわずか115人で、1パーセント程度にとどまっています。
    
県によりますと、日本で農業への就労を希望する外国人は多いものの、県内の農家は
「相談先が分からない」「参考となる事例が少なく雇用に踏み切れない」といった理由から、外国人の受け入れをあきらめているケースが多いということです。
 
県の担当者は「今後、農家らを対象にした研修会や相談会を開催し、農業分野への外国人材の雇用につなげたい」と話しています。

福井テレビ
福井テレビ

福井の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。