学歴詐称問題をめぐり伊東市の田久保眞紀 市長は7月7日、辞意を表明した上で出直し選挙に立候補する考えを明らかにしました。ただ、騒動を大きくさせた疑惑の卒業証書に関する真相は明らかになっていません。
伊東市が発行した最新の広報誌や報道機関が依頼した経歴調査票に「東洋大学法学部卒業」と記されている一方、実際には除籍されていたことが判明した田久保市長をめぐっては、7日夜に開いた会見で辞意を表明した上で出直し選挙に立候補する考えを明らかにしています。
約1カ月にわたって伊東市政を揺るがせた学歴詐称問題ですが、騒動を拡大させた要因が田久保市長の示した“卒業証書”です。
6月初旬、市議全員宛てに「東洋大学卒ってなんだ!彼女は中退どころか、私は除籍であったと記憶している」と記された差出人不明の告発文が届いたことから、田久保市長は中島弘道 議長や青木敬博 副議長など一部の関係者に卒業を証明する資料として“卒業証書”を見せていました。
ただ、中島議長や青木副議長は「チラッと見せられただけで、覗こうとすると引っ込められてしまった」と話しています。
これに対し、田久保市長は7日の会見で「チラッと見せただけとか、私はそんなつもりはなかった」と反論しました。
田久保市長はこの卒業証書について卒業アルバムや在籍期間証明書と共に検察に上申する考えを明らかにしていて、「不確定なやり取りを続けること自体、市民が望んでいないと思うので、しっかりした解決、きちんとした結論が出せる最も相応しいところに委ねたい」と話しています。
同席した阿部・吉田・三瓶法律会計事務所の福島正洋 弁護士によると、検察に委ねることで真贋の鑑定が出来るということです。
一方で、会見に疑惑の卒業証書は持参せず、福島弁護士が「辞職を表明しているので田久保は何の力もないただの一般人。かつ、刑事告発されていて、被疑者という一番弱い立場に転落したことになる。これを守る刑事弁護人として刑事事件の証拠を安易に公開することは出来ない」と述べるなど、田久保市長が示した卒業を証明する“資料”の真相について明らかになることはありませんでした。