2025年も夜空を彩る大輪の花、花火大会の季節がやってきた。夏に欠かせない風物詩で、町おこしの意味合いもある大会もある。そんな中、新潟県で8月に開催される花火大会のポスターが今、話題となっているーー。
“長岡花火”ポスターに“花火なし”
3日の「ソレってどうなの?」は「長岡花火 なぜ意味深ポスター?」をテーマにお伝えする。

日本三大花火大会の1つ「長岡まつり大花火大会」。
毎年8月2日と3日に新潟・長岡市で開催され、2025年も約2万発もの花火が夜空を彩る。

その“長岡花火”のポスターには、後ろ姿で手をつないで空を見上げる子供たち。
しかし、空に花火はない。

さらに、白髪の女性が空を見上げているポスターも花火はなし。
そして控えめなキャッチコピー「みんなで守る長岡花火」とある。
華やかな花火大会と比べると、何とも不思議なポスターだ。
この花火大会のポスターについて、街の人は「花火ないのかなって。(花火大会に)行きたくても行けないみたいな感じ」「楽しそうな花火大会に行こうかなというポスターではない気がする」「切ないというか、はかないみたいな感じ」と不思議がる。

一体なぜこのような異例のPRポスターになったのか、主催する長岡花火財団の戸田幸正さんに聞いた。

長岡花火財団・戸田幸正事務局長:
今年は特に土日開催ということもあり、多数のお客さんが来る中、当日の会場チケットを持っていない方々が混雑状況になる。あとは迷惑駐車・違法駐車、みなさんに考えるきっかけをつくるためのポスターとして作った。

長岡花火では、3年ぶりに開催した2022年から、コロナの密対策や雑踏事故対策として全席有料化になった。2024年は2日間で用意した34万席分のチケットが完売した。
チケットがない人に対しては、会場に来ないように呼びかけているが、近くでは混雑や車の渋滞が発生。そうした人たちに来訪を控えてもらうために、あえてこのようなポスターにしたという。
そんな事情を知った人たちは、「そういう意味だったんですね。楽しむだけでなく、現状を知ってもらうことは大事」「迷惑行為で(花火大会が)なくなると寂しいので、取り組みはいいと思う」と納得した表情を見せた。
青井実キャスター:
柳澤さん、人気すぎて異例のPRになっていると。
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
事故対策のために有料化したがゆえに、こういう状況になってきているのは何とも皮肉なんですが、屋内のイベントじゃなくて外ですからね、近づいたら見えるんじゃないかなと思っちゃう人、どうしても出てくると思うんですよ。つらいところですよね。
4万8000円のマス席が54万円で高額転売…
さらに異例のポスターの背景には、ある問題あった。

一番高いマス席でも4万8000円のはずですが、4倍以上の20万円で出品されていた。
2024年は54万円で出品されるケースも確認されたという。
主催者の同意なしでチケットを転売するという行為は違法で、横行する高額な転売に主催者側も動いた。

長岡花火財団・戸田幸正事務局長:
転売対策の1つではあるが、渡すチケットに名前を入れる形を取らせてもらった。

主催者側によると、記名式のチケットにすることで、出品制限のある大手フリマサイトでは転売できなくなるとのこと。さらに、場合によっては会場で本人確認を行う対策も考えているという。
長岡花火財団・戸田幸正事務局長:
花火大会を一緒に開催する意味というものを考えた時に、市民が中心となって花火を一緒に見てもらい、皆さんで平和を願う、そういう花火大会になればいいなと思っている。
(「イット!」 7月3日放送)