いまだ続く食材の物価高。FNNの独自調査で、学校給食にも深刻な影響を及ぼしている実態が浮かび上がってきました。
2日に取材したのは大分市の小学校。
給食当番が器に取り分けていたのは、献立のメイン・トマトシチューです。
笑顔あふれる給食の時間。
しかし、その裏側では頭を悩ませる事態が起きていました。
毎日約700食の給食を作っている学校の給食室。
ボウルの中に入っているのは、刻まれたパセリです。
大在東小学校 栄養教諭・阿南早都己さん:
本来はブロッコリーを使いたかったんですが、金額的にパセリを使った方が金額を抑えられるので、パセリに変えています。
ブロッコリーだと5000円ほどかかっていた食材費ですが、パセリだと1000円以下。
物価高の中、限られた給食費でやりくりしていかなければならず変更に至ったといいます。
大在東小学校 栄養教諭・阿南早都己さん:
(本来は)ビタミンCやエネルギー量にしてもブロッコリーを使った方が取れると思う。栄養価はなんとかして他で補わないといけないので難しいところ。
この学校では、他にも肉じゃがに使う肉を牛肉から豚肉へ変更するなど、様々メニューで食材の工夫を行っています。
大在東小学校 栄養教諭・阿南早都己さん:
(給食は)食育ということも、とても大きな意義を持っていますので、おいしく楽しく食べて、さらに健康的な体づくりをしてもらいたいなと思う。
FNNは、大分県内18の自治体にアンケート調査を実施。
すると、ほぼ全ての自治体で物価高による給食費の値上げに踏み切っていることが分かりました。
一方、値上げを最小限に抑えるべく、給食現場での様々な工夫も見えてきました。
ある自治体では加工品の頻度を減らし、オムレツやデザートなど手作りできるものは手作りにする形に変更。
一方、ひき肉の代わりに大豆ミートを使用している自治体も。
さらに、デザートの回数を減らす他、一部の食材を国産から外国産に変えているところもありました。
森中央小学校の2日のメニューは米粉パンとみそ煮込みうどん、切り干し大根とツナのゴマあえ。
給食費の増額は行っていませんが、国からの交付金などで材料費の不足分を補填しているといいます。
玖珠町教育委員会 学校給食センター総括管理栄養士・菅田都さん:
材料費を意識しながら栄養価や旬の食べ物、地産地消などを大切に献立を立てています。
子供たちの食事にも大きな影響が出ている物価高。
3日に公示を控える参院選でも重要な争点の1つです。