香川県は南海トラフを震源とする大地震などの新しい被害想定をまとめ、7月1日、第1弾を公表しました。最大クラスの地震では最大震度が上がったほか、津波の最高水位が上昇、浸水面積も拡大しています。

第1弾の発表では主に香川県内の市町ごとの最大震度と、津波の高さなどの想定が公表されました。それによりますと南海トラフ大地震の最大クラスの地震が発生した場合、震度7を観測するのが観音寺市、東かがわ市、三豊市となり前回の想定と変わっていません。

一方で前回の想定で唯一、震度6弱だった琴平町が6強となり、全ての市と町で6強以上となりました。発生頻度が高い地震のタイプでは2市2町で震度の想定が上がり、東かがわ市が唯一6強となった一方、1市1町で下がりました。

津波の想定では最大クラスと発生頻度が高いタイプの両方で最高水位が上がった市と町がほとんどでした。

(早川祐貴記者)
「その1つがさぬき市です。最大クラスの場合、前回の想定では3.8メートルだった最高水位は4.2メートルとなりました。ここ志度港でも4.1メートルの津波が想定されています」

また1センチ以上の浸水が起きる面積も前回の約7000ヘクタールから約8000ヘクタールに拡大。避難が困難になる30センチ以上の浸水面積も拡大しました。一方で、発生頻度が高いタイプでは浸水面積が縮小しました。

(早川祐貴記者)
「高松市の高松港です。こちらでは地震・津波対策の対策工事が施され、こうしたハード面での整備効果が発生頻度の高い地震では現れています」

7月1日は新しい被害想定を検討する専門家の委員会が高松市で開かれ、今回の公表内容を審議しました。

(香川大学 金田義行特任教授)
「揺れが強い地域や浸水が広がる地域などいろんな所があるが、新しい想定に基づいて一喜一憂せずに次のステップとしてどんな備えや対策ができるか考えてほしい」

香川県は次回の検討委員会を夏頃に開き、人的被害や建物などの被害の想定について公表する予定です。

岡山放送
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