各地でクマの出没が相次いでいるが、新たに関東でも70代男性が襲われる被害が出ている。
男性が襲われる瞬間を目撃した人が、当時の緊迫した状況を語った。
30日朝、栃木県内で男性を襲ったクマ。
居合わせた人が明かしたのは恐怖の瞬間だった。
各地でクマの出没相次ぐ
今、各地で相次ぐクマの出没。
先週金曜日（27日）には、岩手・北上市の住宅敷地内に現れたクマが、防犯カメラの前を通り過ぎたあと引き返してきて、その場から立ち去る様子がとらえられた。
市内では道路を横切る様子も確認され、クマは走る車の前を走り去った。
さらに、福井県でも勢いよく走るクマの姿が目撃された。
住宅街に現れた1メートル以上のクマ。
住宅の敷地に侵入したことから、餌を置いたワナを仕掛けたが、捕獲には至らなかった。
栃木・那須塩原市で70代男性がクマに襲われ病院搬送
30日、関東でも被害が出た。
向かったのは、クマが現れたという栃木・那須塩原市の駅や小学校に近い住宅街。
現場には、クマの大きな爪痕が点々と残っていた。
午前6時半ごろ、70代の男性が体長1.5メートルのクマに襲われ、 後頭部から首にかけて約30cmの裂傷を負った。
現場となったそば店の店主は、当時の状況を「（被害者の男性が）クマがいるって知らせに来てくれて、下りてモタモタしているうちに、（クマが）ここにいたもんで襲われたのね」と明かしてくれた。
被害に遭った70代の男性は、路上でクマを目撃し、 そば店の店主に知らせに来たところを襲われてしまったという。
その様子を見ていた女性が、「（男性が）立ってたんだけど、クマが来た。で、クマに押されたんだかなんだか倒れちゃって、その上にクマが（男性に）四つんばいに乗っかって、かんでた」と再現してくれた。
襲われた男性はその後、女性に助けられ、そば店の中に避難した。
玄関には血痕が残され、男性の傷の深さがうかがえる状況だった。
クマは男性を追いかけ、店の網戸も破壊、そこには爪痕が残されていた。
クマの襲撃時、そば店の店主はなんとか軽トラックの中に逃げ込んだが、クマは突進してきたという。
そば店の店主：
軽トラックに駆け上がって、ここに当たったのね。下に汚れた跡がある。そこらへんに爪跡があるんだけど。
クマの“どう猛さ”におののく店主。
一方、襲われた男性は病院に運ばれ、ICU（集中治療室）で治療を受けているという。
市内では、クマへの注意を促すアナウンスが流れ、注意書きも貼り出されていた。
付近に住む小学生の保護者は不安を口にする。
小学生の保護者：
子どもがやっぱりね、自転車とかでもう遊びに行くとかいう年なんでね。「ちょっともう（外に）出ないで」言ってはあるんですけど。
近隣の小学校では、校舎外での活動を控え、児童は保護者とともに注意して登下校するよう呼びかけている。
（「イット!」6月30日放送より）
