俳優の大東駿介さんが、関西の街を歩きながら魅力を学ぶ「発見!てくてく学」。

今回、大東さんが訪れたのは「大阪・中之島」。

堂島川と土佐堀川に挟まれた大阪屈指のビジネス街で、水都・大阪を代表する自然豊かなエリアでもあります。

■中之島ならではバラを守る工夫が「幸福感」もたらす

中之島公園の中に広がるバラ園は、2009年に大幅リニューアルされました。300以上の品種、約4000株のバラが鮮やかに咲きます。中之島のバラ園の最大の魅力は24時間年中無休で、入園料も無料だというところ。

中之島は周辺のビルで発生したビル風の影響を強く受けるため、外側を高くして風からバラを守る工夫がされています。また大雨の浸水被害からバラを守る役割も果たしています。

このバラ園の設計にも携わった京阪園芸バラ事業部のローズソムリエ・小山内健さんによると、周囲が高くなっていて、バラが真ん中のくぼ地のところに植えられているため、香りが充満して、「香りがミックスされた時の幸福感ったらありゃしない」といいます。

ほかにも生まれた年代ごとに展示することで、バラの流行や進化の歴史まで知ることができる画期的なアイデアが盛り込まれています。

展示されている最も古いバラは、1867年に誕生した「ラ・フランス」。ここからおよそ150年分のバラの歴史を堪能できます。

■100年前のお宝も眠る「大阪市中央公会堂」

中之島では、120年以上前に建てられた府立中之島図書館や、アーチ型のデザインの価値が非常に高いとされる淀屋橋と大江橋が国の重要文化財に指定されています。

そして中之島のシンボルは、今から100年以上前の1918年に完成した「大阪市中央公会堂」。市民の皆さんが使える会議室や、イベントホールがある施設です。

そんな大阪市中央公会堂には100年前のお宝がたくさん眠っています。2002年に大規模な耐震強化・保存工事を完了し、その際に、改修前の建物の一部を館内で展示するようになりました。

■たった一人が「50億円以上」寄付して建てられた中央公会堂

館長代理の斉藤侑樹さんに、3階にある特別室を案内してもらいました。もともと海外のお客様をもてなすような部屋だったそうで、大正時代のネオ・ルネッサンス様式と日本神話の見事な調和が魅力です。

カーテンも100年以上前に作られたとても貴重なもので、普段は絶対に触ることができないものですが、今回特別に獅子が描かれた美しい模様を見せてもらいました。

また特別室に使われた大理石には「化石」が混ざっています。建設当時、戦争の影響もあって物資が高騰。費用を抑えるため、比較的安く手に入る、貝や魚の化石などの不純物が含まれている大理石を使うことになりました。予算を抑えつつ、豪華に見せる、大阪人のコスパ精神がこの建物に詰め込まれているのです。

この公会堂は中之島で株式の仲買人をしていた「岩本栄之助」ただ一人の寄付によって建てられました。「市民のための施設を作りたい」という思いで、当時の100万円、今の価値だと50億円以上の寄付がされたそうです。

【大東駿介さん】「素敵な場所を作りたいという思いが建築に残っている。それを含めて文化財ですね」

(関西テレビ「newsランナー 大東駿介の発見!てくてく学」 2025年6月19日木曜日放送)

関西テレビ
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