近年の夏の暑さを受け、国は6月から“職場”での熱中症対策を行うよう義務化した。県内の企業はどんな対策を行っているのか、尾花沢市の建設事業者を訪ねてみた。

(リポート)
「尾花沢市の道路の舗装工事現場です。きょう(27日)は日射しはそれほどないが蒸し蒸ししています。手元の温度計を見ると気温は28.4℃。その上の熱中症の危険度を示す暑さ指数は25.5となっています」

暑さ指数25.5は「熱中症を警戒すべき」レベル。

厚労省によると、2024年に職場で熱中症になった人は全国で過去最多の1257人に上り、このうち31人が死亡している。
特に、外での作業が多い建設業や、工場で働く製造業で熱中症のリスクが高まる。

そこで国は、熱中症の危険度を示す「暑さ指数」に着目し、この指数が「28」以上、または気温が「31℃以上」の職場での熱中症対策を6月から義務化した。

尾花沢市の建設事業者・はながさ建設は、熱中症対策として新たな車を導入した。
一見、普通のワンボックスカーに見えるが…。

(リポート)
「車の中に入るととても涼しいです。そして休憩スペースが広がっています」

熱中症対策として導入された車載式の「休憩所」。車内には体を冷やすエアコンのほか、塩分を補給できるものや、冷蔵庫の中には飲み物も用意されている。
作業員たちは、外での作業で熱くなった体をエアコンが効いた車内で休めていた。

(作業員)
「暑いですね、この時期。かなりの温度なので気をつけないとダメ。(Q.車載式の休憩所は?)やっぱり違う、涼しくて癒されるのが違う」

作業員の中には、かつて仕事中に熱中症にかかったという人もいた。

(熱中症にかかったことがある作業員)
「熱中症になった日は、『きょうの天気おかしいな』と。午前中は頑張ったがだんだん体がつりはじめて、午後には立てなくなって倒れてしまった。涼しいところで休憩できるようになり良いことだと思う」

(はながさ建設・伊藤良一部長)
「熱中症対策の手順書や緊急時の態勢などを整備しなければならないが、まずは現場の対応が一番なので、すぐ涼めるように車載式の休憩所を導入した。外での作業なので作業員たちを守らないといけない」

県内の企業でもさまざまなカタチで熱中症対策が進んでいる。

義務化されたことで、意識的に対策ができるようになった。
ほかの企業では、空調機能のある服を導入したり、休憩所・飲み物を冷やす冷蔵庫を設置したりして涼めるようにしているところもあった。

さくらんぼテレビ
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