2025年は平年より暑い夏となることが予想されている。これからの時期に気を付けたいのは熱中症などの健康被害だが、それは我々人間だけでなくペットにとっても同じである。
ペットも熱中症に注意
訪れたのは静岡市駿河区にある「ふくろう動物病院」。

鈴木淑剛 院長は「犬や猫にとっての熱中症のリスクは散歩中に限ったことではない」とした上で「汗をかけない分、熱を逃がす方法が限られ、人よりも速く熱の蓄積が体の中で起こってしまう。熱中症に関して、動物は気温よりも湿度が関係してくる」と注意を促す。
鈴木院長によると熱中症になりやすいのは湿度が60%以上の環境下だという。
そこで、気にするべき点をたずねると「通常1分間に10回から15回程度の呼吸が速くなってくる。それに合わせて口を開けての呼吸になって、よだれが “ぼたぼた”と垂れるのが最初のサイン」と解説。

「健康な時によく舌を見て色を覚えておくと良い。熱中症の時は舌がいつもより赤くなる。呼吸が速くなり舌が赤くなって口を開けてパンティングという“ハアハア”息をしている状態になる」という。
応急措置としては水を浸したバスタオルを体全体にかけるなどで、無理に水を飲ませるのではなくペット自身に任せる方が良いそうだ。
また「(舌が)青紫になる頃にはほぼ意識がなく、動けない状態なので、こういう場合はすぐに病院に連れていくこと」と指摘する。
専門家に預けて安心
こうした中、飼い主の不安を払しょくするために静岡市のペットショップが2025年3月から始めたサービスが“犬の幼稚園”。

社会性を身に着けるためのトレーニングのほかブラッシングなどの手入れやお座りや待てといった訓練も行っている。
わんにゃん通り・藤岡聡美 代表取締役は「利用者から留守番の時に心配だったが、安心して預けられると言ってもらえる」とサービスに手応えを感じている様子だ。

実際に迎えに来た利用客も「うちの子も(家では)ひとりで居るので他の子と触れ合うことができるし、『こういうケアをした方がいいよ』というアドバイスをもらえるのですごくありがたい」と話す。
究極のペットケア?
一方、ペットをより身近で守りたいという思いを実現させたのが静岡県磐田市にある材木店・カワイ。

カワイの川合伯員 社長に記者が「ここは何のための場所?」とたずねると「スタッフがペットを連れて出社できる場所。奥に小屋があり、そこはエアコンが付いていて快適に過ごせるようになっている」と返って来た。
「気の合う仲間がここにきてくれて一緒に働いてくれたら、もっと仲良く仕事が楽しくなると思った」と話す川合伯員 社長自身も2匹の犬と暮らす愛犬家だ。

職場にも一緒に出社することで仮にペットが体調を崩したとしてもすぐに気づくことができ、ひいては命を守ることにつながると考え空きスペースの活用に乗り出したという。
こうした取り組みに社員も「子供同伴の会社は聞いたことがあるが、ペット同伴は聞いたことがなく発想がすごい」と感心する。

「快適に人もペットも暮らせるような場所を作っておけば、災害時にも役立つと思う。人間と同じようにペットにも快適な場所づくりができたら」と川合伯員 社長は改めてその思いを話してくれた。
何かあっても声に出すことができないペットたち。
飼い主として大切な家族の命を守っていくという思いを忘れないことが重要だ。
(テレビ静岡)