タイとカンボジアの国境地帯の領有権問題をめぐり、国境の封鎖や貿易制限などの措置が相次いで発表され、緊張が一段と高まっています。
タイとカンボジアは、互いに領有権を主張している国境地帯で5月末に軍事衝突が起きたことをきっかけに対立を深めています。
6月中旬には、緊張緩和に向けた会合が開かれたものの事態の打開には至らず、カンボジア政府はタイからの野菜や果物の輸入を停止したほか、22日には石油やガスの輸入も禁止すると発表しました。
一方、タイ政府は23日、カンボジアとの国境検問所をすべて閉鎖し、人や車両の往来を原則禁止すると発表しました。
両国で報復の応酬が続き先行きが見通せない状況で、タイとカンボジアにある日本大使館は、国境付近に不用意に近づかないよう注意を呼びかけています。
この問題をめぐっては、タイのペートンタン首相とカンボジアのフン・セン前首相の電話会談の音声が流出し、ペートンタン首相がタイ軍を批判していたことなどが問題視されています。
タイの上院は、憲法裁判所に首相の解任を求める請願書を提出していて、タイ国内が政局化する可能性も出ています。