アメリカの攻撃により、イラン情勢が新たなフェーズに入った。イランによる報復は、イスラエルへの攻撃強化、アメリカ軍施設などへの攻撃、ホルムズ海峡封鎖の三段階が考えられる。最終判断はハメネイ師に委ねられ、強硬策か交渉かが注目される。
米へのイラン報復でイスラエル攻撃強化か
アメリカの攻撃によって、新たなフェーズに入ったというイラン情勢。イランによるさらなる報復があるのか、国際取材部の佐々木亮デスクによると、複数の段階が考えられるという。

宮司愛海キャスター:
まずは「イスラエルへの攻撃強化」、さらにエスカレートすると、「アメリカ軍施設などへ攻撃」、その先には「ホルムズ海峡の封鎖」が考えられるということですが、現在はどういった状況にあると分析しますか。
国際取材部デスク 佐々木亮:
イランが、イスラエルへの攻撃をさらに強めることは考えられます。ただ、ミサイル発射台の場所が分かってしまい、破壊されたり、ミサイルの在庫がかなり尽きているという話もあるので、どこまでできるか分からない状況にあります。一段階上がるとなると、アメリカ軍基地を狙うことも考えられます。
宮司キャスター:
中東地域にあるアメリカ軍の関連施設。この施設がすぐにでも攻撃される可能性があるということでしょうか。
国際取材部デスク 佐々木亮:
イランから非常に近い距離にあります。ですので、報復のオプションとしては間違いなく入ってるとは思います。ただ、アメリカ軍を攻撃するということは、その分、アメリカ軍からの報復がある可能性があるので、そこのリスクというのも考えていると思います。
宮司キャスター:
イランとしても、色々と考えながら動いている状況だと。さらに事態がエスカレートしていくと、このホルムズ海峡の封鎖というのが考えられますが、すでに議会で可決されたというニュースもありました。いわば世界の海運の要衝ですが、これを物理的に封鎖することはできるのでしょうか。

国際取材部デスク 佐々木亮:
このホルムズ海峡ですが、物理的に壁を作ったりとかそういったことではなく、原油を運ぶタンカーを通れなくしてしまえばいいわけです。その方法としては、例えば機雷という爆発物、兵器なんですが、それを海の中にばらまいたり、もしくはイランの近い側に対艦ミサイルなどを配備して脅したりとか、脅すだけでもタンカーが通りにくくなるので、そういった方法でホルムズ海峡を封鎖に踏み切るという可能性はあります。
ただ、イランもホルムズ海峡の先にイランの原油を輸出する港があるので、要はイラン自身も原油を輸出できなくなるので、そういった諸刃の剣でもあります。
日本政府のイスラエル支持は低い可能性
木村拓也キャスター:
アメリカのトランプ大統領も日本時間の午前にSNS更新していて、体制転換という言葉を使っているので、ある種の揺さぶりだと思いますが、イランの今後の動きはどうなるのでしょうか。

国際取材部デスク 佐々木亮:
最終的に決断するのは最高指導者のハメネイ師になるわけですが、イスラム教の宗教指導者が統治しているというのが、今のハメネイ師の体制になります。体制を守るのが一番ですが、さらなるダメージを覚悟して強硬な手段に打ってくるのか、それとも、何かしら交渉に戻るのかはまだ分からない。
宮司キャスター:
このフェーズが徐々に変わってきていますが、日本政府としてどうしていくのか、今後の見通しはどう見ていますか。
SPキャスター岩田朋子さん:
6年前に日本がアメリカとイランの対立を仲介した時に、ハメネイ師は日本に直接こう言ったんです。イランは核不拡散条約に加盟をしている。IAEAの査察を受けている。でもイスラエルは違うじゃないか。加盟をすればいいんだと直接聞いているわけです。
ですので、アメリカがイスラエルを支持したからといって、日本が支持するということはないと思います。イランとの友好関係を大事にしたいところだと思います。
宮司キャスター:
日本としても、難しい舵取りが求められるところだと思います。
(「イット!」6月23日放送より)