ガラスのように見える作品…実は

一見、ガラス作品のように見える作品「ヴェネツィアの獅子」。この作品で日本一に輝き、世界の舞台でさらなる高みを目指す倉敷市の若き職人を取材した。

若手パティシエの世界大会の日本代表選考会で優勝「誇らしくもあり、うれしい」

まるで宝石のようなきらめきを放つこの作品、実は、全て「飴」でできている。

「・・・優勝!パティスリーマサキ 大西正志殿、おめでとうございます!」

倉敷市のケーキ店、「パティスリーマサキ」のパティシエ、大西正志さん(24)。2025年4月、東京で開かれた、26歳以下の若手パティシエの世界大会の日本代表選考会で優勝した。「誰が見ても分かるような結果を残せたのは誇らしくもあり、うれしい」と大西さん。現在は、26年1月にイタリアで開かれる世界大会に向けて練習に励んでいる。

飴細工とショコラの技術を競うこの大会。日本代表選考会のテーマは「神話」で、大西さんは、イタリア・ヴェネツィアのシンボルともされる「ヴェネツィアの獅子」をモチーフに選んだという。

その作品を製作するにあたり、大西さんは作品のある箇所を指し、「ここに本来、羽が生えているんだろうなと(想像して)、ライオンがライオンらしくなるように意識して作った」と話す。

大西さんの受賞作品「ヴェネツィアの獅子」
大西さんの受賞作品「ヴェネツィアの獅子」
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小学生の時、菓子作りに目覚め…専門学校を経てパティシエに

幼いころから好奇心旺盛で、甘いものが大好きだったという大西さん。

菓子作りに目覚めたのは小学生の時。小学5年生の頃に初めてお菓子を自分で作ってみて、楽しいと思ったそうだ。

高校3年生でパティシエになろうと思い、岡山市の専門学校を卒業後、県内で人気のケーキ店、「パティスリーマサキ」の門をたたき、職人としての経験を積んできた。

幼いころの大西正志さん
幼いころの大西正志さん

26年1月に世界の舞台へ…「世界大会に出るからにはしっかり結果を残す」

もともと、時間をかけて細かいパーツを丁寧に作ることは得意だったという大西さんだが、制限時間内に作り上げる「タイムトライアル」は初めての挑戦。ケーキ店での業務の後、時には睡眠時間を削りながら練習に励み、世界大会の切符をつかんだ。

将来的には自分の店を持ちたいという大西さん。世界12カ国の若手トップパティシエがしのぎを削る世界大会は2026年1月、イタリアで開かれる。
「実績が自信にもつながると思う。世界大会に出るからにはしっかり結果を残して、優勝して帰ってこられるよう頑張る」と、世界大会への抱負を語った。

岡山から世界へ・・・。大西さんの挑戦は続く。

(岡山放送)

世界大会への決意を語る大西正志さん(24)
世界大会への決意を語る大西正志さん(24)
岡山放送
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