大分市の入札を巡る事件で新たな展開です。業者に予定価格を漏らし落札させた罪で起訴された当時大分市議だった男が、別の業者にも予定価格を教え落札させた疑いで17日再逮捕されました。

男は容疑を認めているということです。

公契約関係競売入札妨害の疑いで再逮捕されたのは大分市議会議員だった山本卓矢容疑者45歳です。

また、大分市の造園業「新名緑化」の社長・新名公明容疑者58歳も逮捕されています。

警察によりますと、山本容疑者は2024年4月、大分市の指名競争入札で、市の職員から聞き出した非公表の予定価格数件を新名容疑者に教え、このうち1件を落札させた疑いが持たれています。

山本容疑者は2024年5月の入札でも予定価格を別の造園業者に伝え、落札させたとして6月13日に起訴されていました。

◆TOS佐々木理人記者
「再び逮捕者が出た大分市の入札。今回不正があったとされるのはこちらの公園の管理の業務委託についてです」

新名容疑者の会社が落札したのは、大分市牧にある松栄山公園で植木の剪定や除草などの管理を行う業務委託です。

市の公園緑地課が発注し、入札は2度行われました。予定価格が399万円だったのに対し、新名緑化は同額で落札。つまり落札率は100%でした。

県警は2人の認否を明らかにしていませんが、捜査関係者によりますと、山本容疑者は「すべて間違いありません」と容疑を認めているということです。

今回逮捕された新名容疑者は大分市の造園業「新名緑化」の社長を務めています。

会社には日本刀の工房が併設されていました。

◆逮捕された新名公明容疑者(2024年10月)
「刀が文化としてこれから先に残っていけばということで、技術の継承として次の世代に引き継いでいこうと刀をつくっている」

新名容疑者は刀匠としても活動していて2024年10月には佐藤知事を表敬訪問し、自身で手掛けた日本刀を披露していました。

警察によりますと、今回の事件では新名容疑者が当時市議会議員だった山本容疑者に予定価格を教えるよう求めていたということです。

「新名緑化」の従業員は17日TOSの取材に応じ、市の入札の仕事は全て新名容疑者が担っていたと話しました。

新名容疑者は1か月ほど前から警察に事情を聞かれていたほか、所持品も提出していたということです。

今回の入札妨害事件でも山本容疑者は予定価格を市の職員から聞き出し、業者側に伝えたとされています。

入札の不正に市の職員がまたしても関与した疑いが持たれていることについて、足立市長は―

◆足立市長
「17件の予定価格を手に入れたと山本元議員が。 2件だけというのはありえない話でこうなると思っていた。一番肝心なことは談合がどのように行われたかの捜査ではないか。警察に連絡をとっているとこの前会見でも言ったが、 内部調査はまだしないでくれと言われている。もちろん公務員の倫理上の問題はあるが、自分の勉強のために使いたいと(市議に)言われれば本来は予定価格を教えることはいけないが、そういうふうに頼まれたらなかなか断れないと私は思う」

また、市議会の田島寛信議長は―

◆大分市議会 田島寛信議長
「改めて市民の皆様にご迷惑をおかけしたことを心からお詫び申し上げたい。また改めて全議員に政治倫理の順守と市民の信頼回復に向けてこれから全議員で一丸となって頑張っていきたい」

度重なる入札での不正の疑い。全容解明と信頼回復の取り組みが求められます。

テレビ大分
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