能登半島地震や奥能登豪雨で大きな被害を受けた珠洲市の七輪工場が本格的な製造作業を再開しました。
珠洲市の「丸和工業」。製造する七輪は地下から切り出した珪藻土を使っているのが大きな特徴です。職人によってほとんど手作業で作られ脱臭性や耐火性に優れています。しかしその生産は長い間、止まっていました。
丸和工業 玉置仁一社長:
「ここが全部崩れていたんですよ。そこにきれいにレンガを積んで直した」
去年元日の能登半島地震では工場の窯が崩れたり煙突が損傷したりするなど大きな被害を受けました。さらに去年9月の豪雨でも工場が低い場所にあるため作業場が浸水したといいます。被災したのは去年だけではありません。
玉置社長:
「これはひどいですね。これをどうするか…」
おととしとその前年に珠洲を襲った地震でも工場の建物が傾いたり窯が崩れるなどの被害が発生。この3年で4度の大災害に見舞われましたが従業員たちが七輪作りを諦めることはありませんでした。
玉置社長:
「辞めようかと思って従業員に相談したんです。そしたら「やります」と言われてそれならそれに向かって応援してやろうかなと…」
窯は従業員が自分たちの手で修復。工場の煙突も先月、修復が完了したことから七輪の本格的な製造を再開しました。
玉置社長:
「色々と応援してくださった皆様にこれから恩返しをしていきたいと思います」
幾度の災害を乗り越え地元産業の火を灯し続けます。