中国が保有する核弾頭の数が急速に増えています。
スウェーデンの研究機関は、わずか1年で100発増えたと発表し、軍拡競争が始まっているとの見方を示しました。
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所は16日、中国が保有する核弾頭の数が2024年から2025年の1年間で100発増え、推定で600発に達したと発表しました。
報告書によると、「中国は世界のどの国よりも速いペースで備蓄を増やしていて、2023年以降は毎年およそ100発の新たな核弾頭が追加されている」と指摘した上で、「危険な核軍拡競争に突入しつつある」との懸念を示しました。
報告書によりますと、中国は大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射するための地下施設を、およそ350か所、新たに完成させたか、建設を進めているということです。
研究所は、中国が今後10年以内にアメリカやロシアに並ぶ核兵器保有国になる可能性があると分析しています。
また北朝鮮については去年と同じ推計およそ50発の核弾頭を保有していると指摘し、さらに最大40発分を追加で製造可能な核分裂性物質を保有していて、今後も核弾頭の数は増えると分析しています。
一方、最大の核弾頭保有国のロシアは5459発で続いてアメリカが5177発となっており両国で世界の9割近くを占めておて依然として両国が核の主導権を握っています。
一方で、人工知能(AI)の導入で核兵器の使用判断が速くなりすぎることや、誤作動や誤認識によって深刻な事故や誤発射が起きるリスクも高まっていると指摘されています。