札幌市の繁華街ススキノにいま、ホテルが増えている。
こだわりのサウナに、大人気カフェとサービスを売りにしたホテルが続々開業。背景に何があるのか。
7月、札幌市ススキノに開業する「FAV LUX 札幌すすきの」。

地上13階建て、「みんないれば、もっと楽しい。」をテーマに”こだわり”のつまったグループ向けのホテルだ。

こだわり その1【長崎の人気ベーカリー】
「1階部分はオープンスペースのカフェになっている。ススキノの喧騒からはうってかわって落ち着いた空間が広がっています」(八木隆太郎フィールドキャスター)

ホテル1階に入るのは、北海道初上陸となる長崎県のベーカリーカフェ「JUNE COFFEE」。
パリやロンドンなどで修業したパティシエが焼き上げるパンは、長崎で行列ができるほど。

自家焙煎のコーヒーも人気で、宿泊しない人でも気軽に利用ができる。

「いただきます。濃厚なチョコレート。香りとちょっとほろ苦さ、甘さのバランスが抜群ですね」(八木フィールドキャスター)

海外のカフェのような雰囲気の中、くつろぐことができる。

こだわり その2【仲間でくつろげる部屋】
「うわ~広いですね~!ベッドは大きな2段ベッド、そしてこのリビング、一家団らんできます。更にホテルとは思えない大きなダイニングテーブル」(八木フィールドキャスター)

最大6人のグループで泊まれるこの部屋には、長期滞在もできるようキッチンも配備。
リゾート感あふれる屋外テラスやプライベートサウナも備えられていて、家族や仲間と気兼ねなく過ごすことができる。

こだわり その3【ハイブリッドサウナ】
そして、もう一つのこだわりが大浴場のサウナだ。
「立派なサウナストーブがそびえています。この熱と更に木の香り、そして座っている座面からも熱がくるんです」(八木フィールドキャスター)
サウナストーブとベンチ下ヒーター、両方向から温める世界でも珍しいハイブリッドサウナを完備。
短い時間で大量の汗をかくことができる。

さらにお腹まですっぽり入る、深さ90cmの水風呂も。
サウナ好きにはたまらない空間だ。

実はいま、ススキノではこうした”こだわり”の強いホテルの建設が相次いでいる。
2025年4月にオープンしたホテル「暖雪 札幌」。

ビジネスホテルには珍しく、専用ラウンジでビールやスイーツなどが食べ飲み放題。

さらにサウナと銭湯のプロデューサーが、共同で設計した究極の温浴施設が人気を呼び地元客の利用も多く、満室の日もあるという。

また2026年7月オープンの「ランドーホテル札幌ヘリテージ」はダンスクラブ、キングムーの跡地に建設中だ。

キングムーの内装を一部再利用し、ススキノや札幌の歴史を表現したホテルに仕上がる予定。
いま、なぜススキノに「こだわりホテル」が誕生しているのか。

専門家は―
「旅行者にとってススキノというのは非常に大きな魅力がある。北海道のグルメ全体、夜ススキノに行けば全部楽しめてしまう。ススキノにホテルがあるとより安心。訪日外国人旅行者のニーズというのも捉えている」
「差別化ですね。より際立った奇をてらったホテルというかですね。個性的なホテルを出さないと勝てない。ススキノエリアは、個性的なホテルを出しても、それが馴染んでしまうというような雰囲気も」(いずれもホテル評論家 瀧澤信秋さん)

7月開業の「FAV LUX 札幌すすきの」もホテル激戦区ススキノで差別化を意識している。
「札幌・ススキノは食の体験が充実したエリア。夜の食事は外で、中ではリラックスもかねて大浴場サウナを楽しんでいただければ」(霞ヶ関キャピタル 河村祐貴子さん)
ホテルのサービス競争がススキノの新たな魅力を生み出していきそうだ。
