『海がきこえる』は作家・氷室冴子さんの原作小説をもとに、スタジオジブリの若手スタッフが中心になって1993年に制作した長編アニメーション作品で、テレビ放送されました。

舞台は高知と東京。主人公たちが通う高校の校舎は高知追手前高校がモデルになっていて、ファンの間では“聖地”となっています。

高知と東京を舞台に青春が描かれる © 1993 Saeko Himuro/Keiko Niwa/Studio Ghibli, N
高知と東京を舞台に青春が描かれる © 1993 Saeko Himuro/Keiko Niwa/Studio Ghibli, N
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今回、公開から12年を経て初めて全国上映が決定。高知ではキネマM(高知市帯屋町)で公開されます。

全国公開は7月4日からですが、キネマMでは6月27日から1週間先行で上映され、28日と29日には望月智充監督と高橋望プロデューサーをゲストにトークイベントも開催されます。

“地元”高知のキネマMで先行上映される
“地元”高知のキネマMで先行上映される

作品では、10代の終わりが近づく3人の若者たちの繊細な心の揺らぎや葛藤に向き合う青春模様が描かれています。

動画配信はされておらず、2024年に東京都内の映画館で上映された際には、連日満席のロングランになったことでも話題になりました。

【ストーリー】
東京の大学に進学した杜崎拓は、吉祥寺駅の反対側ホームにある人影を見た。中央線下り列車に姿を消したその人影は確かに武藤里伽子に見えた。だが里伽子は高知の大学に行ったのではなかったのか。高知へと向かう飛行機の中で、拓の思いは自然と里伽子と出会ったあの2年前の夏の日へと戻っていった。――里伽子は勉強もスポーツも万能の美人。その里伽子に、親友の松野が惹かれていることを知った拓の心境は複雑だった。拓にとって里伽子は親友の片思いの相手という、ただそれだけの存在だった。それだけで終わるはずだった。高校3年のハワイの修学旅行までは…