元日本代表の髙橋新監督が導く、新田バレー部の新たな挑戦

「バレーボール部にいたことで、これからご飯を食べられるとか仕事したうえで必要なものを伝えているつもり」と語るのは、今年から愛媛県の新田高校男子バレーボール部の監督に就任した髙橋幸造氏だ。

元日本代表のセッターとして活躍した経験を持つ髙橋監督のもと、新田高校は新たな挑戦を始めている。

新田高校は新たな挑戦を始めている
新田高校は新たな挑戦を始めている
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40回の県制覇を誇る名門校の新章

愛媛県のバレーボール界をけん引してきた新田高校男子バレーボール部。

主将の藤田遼太郎選手は「部員が50人近くいるんでそれを一人でまとめるのは大変なので、みんなで力を合わせて頑張ってまとめています」と語り、チームを牽引している。

新田高校男子バレーボール部では、インターハイと春高で合わせて40回もの県内頂点に輝き、全国大会の常連校として知られている。37年間チームを率いてきた門田典久前監督から指揮権を引き継いだ髙橋監督は、2009年に日本代表に選ばれた経験を持つ元Vリーガーだ。

「毎年毎年違うバレーを展開したいと思っていて、その理由は1人1人の個性を活かしたバレーボールを自分の中でも体現しようと思っています」と髙橋監督は新たな新田バレーのビジョンを語る。

1人1人の個性を活かしたバレーボールを
1人1人の個性を活かしたバレーボールを

チームを支える中心選手

髙橋監督と同じセッターを務める3年生の髙木大愛(たかぎ だいあ)選手は、小中高とすべてのカテゴリーで全国大会を経験したチームの頼れる「心臓」だ。

髙橋監督は「私自身セッターをしていたんでトスワークなどを伝えていったら、頭の中で考えられる子なんで、頭の中で理解というか覚えてくれるので、すごく信頼ができる生徒」と太鼓判を押す。

「(武器は)コンビを使って点を取ること、キャプテンとかも一緒に自分も責任をもって行動したい」と高木選手は語る。

セッター髙木大愛選手
セッター髙木大愛選手

もうひとりの中心選手は

一方、髙木選手のトスを受けて強烈なスパイクを放つのが、エースの増井総二郎選手。

「高いところから深いコース、奥に打つというのが自分の武器です」と語る増井選手は、髙橋監督が掲げる「多彩なバレー」を体現する長身アタッカーだ。

「高いところから深いコース、奥に打つというのが自分の武器です」と話す。

エースの増井総二郎選手
エースの増井総二郎選手

技術以上に大切にする「人間形成」

2024年から活躍する主力が多く残り、2025年も盤石な体制の新田バレー部。

髙橋監督が特に重視しているのは、バレーボールの技術だけではない。「日々の生活がバレーボールに影響する」という考え方のもと、礼儀や人間性の指導にも力を入れている。

「バレーボールで今後ずっとご飯を食べていける選手というのは、はっきり言って少ないと思うが、バレーボール部にいたことで、これからご飯を食べられるとか仕事したうえで必要なものを伝えているつもり」という髙橋監督の言葉には、選手たちの将来を見据えた深い思いが込められている。

髙橋監督の言葉には、選手たちの将来を見据えた深い思いが込められている
髙橋監督の言葉には、選手たちの将来を見据えた深い思いが込められている

県高校総体で見せた底力

2025年6月の県高校総体では、髙橋監督体制になって初の大会に臨んだ。

決勝の相手は昨年の春高決勝でフルセットの死闘を繰り広げた三島高校。接戦を制した新田高校はストレート勝ちで3年連続インターハイの切符を手にした。

「自分の高校の大事な一つのもの」と髙木選手が語る新田バレー部。

増井選手も「昔から自分が憧れていた場所なので、そこでプレーできるのは自分自身はすごくうれしいこと。あとはおもいっきりやるだけ」と喜びを隠さない。

「自分の高校の大事な一つのもの」と髙木選手
「自分の高校の大事な一つのもの」と髙木選手

全国ベスト8を目指す新生チーム

「目標は選手に決めさせますが、この部活をやる目的は人間形成なので、やっぱり人間はしっかり作っておかないと。将来必要な部分は絶対にありますので、それをバレーボールを通して伝えていっている」と語る髙橋監督。

そんな監督のもと、選手たちは口を揃えて「全国ベスト8」という目標を掲げる。


新たな青春を紡ぐため、新田新生バレー部はこれからも技術と心を磨き続ける。愛媛の誇る名門校の新たな物語が始まったばかりだ。

愛媛の誇る名門校の新たな物語が始まったばかり
愛媛の誇る名門校の新たな物語が始まったばかり
テレビ愛媛
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