東京・高田馬場駅前の飲食店が「不法占拠」だったとして解体工事が開始された。戦後混乱期に西武鉄道所有地に闇市のように商店が定着し営業を続けていたが、立ち退き協議の末に閉店したという。

4月まで営業していた人気店も含まれ、住民からは驚きの声が上がっている。戦後の土地不法占拠問題は各地で存在していて、浅草では台東区が提訴し裁判中の事案もある。

高田馬場で不法占拠飲食街を一斉解体

12日、学生など多くの人が行き交う高田馬場駅の一角で、異変が起きていた。

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取材班:
JR高田馬場駅のすぐ目の前に飲食店がありますけども、ずらーっと店が立ち並んでいますが、全て営業している様子はありません。店が立ち並ぶ道を入っていきますと、「解体工事のお知らせ、不法占有建物の解体」とあります。

空き店舗に貼られていたのは、「不法占拠」による解体工事の知らせ。

50代:
不法とか全然知らなかった。本当ですか?

取材班:
不法占拠、どう思いますか?

50代:
迷惑かかってたわけではないので、聞いてびっくりしている。

高田馬場在住(30代):
(夜は)割と人気の店だったらしくて、幸寿司さん。(昼の)そば屋も立ち食いそばで人気の店で私もよく使っていたので、え?閉めちゃうの?と高田馬場の住民の間ではざわざわしていました。

戦後混乱期からの土地占拠が各地で問題に

近隣店舗によると、4月までは営業していた店もあったというが、一体何が起きているのだろうか。2日間に渡る取材の末、取材班はようやく詳しい事情を知る人に行き着いた。

詳しい事情を知る人:
歴史の古い話にはなると思うが、戦後再開発の中で西武さんが路線を拡大して、駅周りに町ができて、イメージ的には闇市のような時に、いろんな商店が入居して、根付いちゃって既得権益で営業を続けていたというのが実際のところだと思います。

西武鉄道によると、このエリアは戦前から西武鉄道の所有の土地で、建物の所有者と個別に協議を行い、立ち退きに協力をしてもらったという。

こうした戦後の混乱期における土地の「不法占拠」は、各地でも問題となっている。

浅草では2022年に、台東区が伝法院通りにある店舗を「不法占拠」にあたるとして提訴した。現在も裁判が続いている。
(「イット!」6月12日放送より)

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