この春、全国初の「すしの都(みやこ)課」を立ち上げた福岡県北九州市と、ひと足先にすしを活かしたブランディング戦略を進めている富山県。
これまで交流のなかった双方のトップが、12日、自慢のすしを持ち寄って初めて対談しました。
主催者いわく、世界初の「すし会談」!
どんな話の“ネタ”が飛び出したのでしょうか?
響灘など3つの海に囲まれてすしネタの宝庫とされる北九州市。
今年4月、地域のすし文化を国の内外に発信する全国初の「すしの都課」を新設し、観光客誘致につなげる取り組みを進めています。
すしを活かしたこの動きにすぐさま反応したのが遠く離れた北陸の富山県。
◆富山県 新田八朗 知事
「特に対策は考えていない。玄界灘でもいい魚がとれるだろうが、富山湾には多種多様な魚が流入する特徴がある。こういうアドバンテージを活かして、トップランナーでありたい」
“先駆者”としての自信をのぞかせる富山県は全国にも知られたすしどころで、中でも富山市は1世帯あたりのすしへの支出額が全国1位を誇ります。
そんな富山県は北九州市よりひと足先に「寿司といえば、富山」をキャッチフレーズにしたブランディング戦略を進めています。
立山連峰の雪解け水が流れ込む富山湾は魚の種類が豊富で、日本海に生息する800種類のうち500種類が棲むと言われています。
そんな「天然のいけす」を擁し、「すしの王者」とも評される富山県に対し、5月、北九州市の武内市長はSNSで世界初の「すし会談」の開催を提案。
◆記者リポート
「来ました。北九州市の武内市長です。今、JR富山駅に姿を見せました」
12日午後、富山県庁でついにその「すし会談」が実現しました!
会談の席で真っ先に行われたのがー
◆富山県 新田八朗 知事
「富山県の自然が生み出した魅力を凝縮したのがこの寿司だと。北九州市と富山県、いい組み合わせではないかなと」
「すし」をネタにしたお国自慢!
それぞれのトップが特色あふれるご当地のすしを披露しました。
北九州市が用意したのは響灘のヤリイカや玄界灘のマアジ。
戸畑区の名店、照寿司が厳選した旬の味覚です。
迎える富山県は、天然のいけす、富山湾のシロエビや氷見マグロなど自慢のネタを揃えました。
和やかな雰囲気の中に互いに負けられない緊張感も漂う中、トップ同士がいざ実食です!
◆アカウニを試食 富山県 新田八朗 知事
「とろりとすーっととけていく、そんなクリーミーな魅力ですね」
◆シロエビを試食 富山県 新田八朗 知事
「“富山湾の宝石”といわれるだけあって、見た目は繊細だけど、口の中にふわっととろけていく上品な味ですね」
互いの実力を称え合った北九州市長と富山県知事は、会談の中で、双方に新幹線の駅があるJR西日本にも連携を呼びかけて、それぞれのすしを振る舞うイベントなどを検討していることを明らかにしました。
まずは今年8月に、万博が開催中で双方からアクセスしやすい大阪での開催を目指す方針です。
◆北九州市 武内和久 市長
「時に切磋琢磨し、ときには競い合い、お互いの強みを共有するのも大事。日本の食文化である『すし』を世界中に伝えていく伝道師として、私の志を共有する同士として、これからお互いに高め合っていきたい」
北九州市は今回のすし会談をきっかけに北九州から富山へと連なるすしのゴールデンルートを構築したいとしていて、日本が世界に誇る食文化、「すし」を仲立ちにした新たな連携が生み出す効果に期待を寄せています。