福岡でも販売が加速している備蓄米。
そうした中、みその業界が頭を抱えています。
12日、小泉農水相と面会したのは、みその製造会社でつくる業界団体の代表です。
政府備蓄米の加工用米としての放出や、加工用米生産者に対する補助金の大幅な引き上げを要請しました。
◆全国味噌工業協同組合連合会 満田盛護 会長
「我々、コメの加工メーカーも相当量のコメを使います。コメ加工メーカーに対するご配慮もぜひともお願いしたい」
福岡県柳川市にある創業155年の「鶴味噌醸造」です。
みそ作りに欠かせない米。
こちらは年間90トンを仕入れていますが…
◆鶴味噌醸造 吉開雄治さん
「コメの価格は2倍近く値上がりするので、頭が痛い」
近日中に仕入れなければならない1年分のコメの価格が、2倍に跳ね上がっているといいます。
少しでも安い仕入れ先を探していますが難航しているうえ、取引のある業者の注文期限が迫っています。
◆鶴味噌醸造 吉開雄治さん
「予約はここ数日のうちにしないと、期限が迫っている状況で、キャンセルもできないので、予約したら引き取らないといけないし、予約しないとコメがないという状況。非常に困っている」
鶴味噌醸造は今年4月に燃料費高騰などにより販売価格を15%ほど値上げしたばかりです。
このまま米を2倍の価格で注文するとさらに値上げをせざるを得ないといい、消費者の「みそ離れ」を懸念しています。
◆鶴味噌醸造 吉開雄治さん
「味噌の消費量自体が落ちている状況で価格が上がると、追い打ちをかけるように離れていくのでは」
みその製造現場も直撃する米の価格高騰。
備蓄米を放出してもおさまらない令和の米騒動は、一体いつまで続くのでしょうか。
メインとなる原料の米の価格が年間で2倍、というのは本当に深刻な影響です。
こうした、味噌や日本酒に使われる加工用の米にはさらに懸念があり、全国の米農家を対象とした国の意向調査では、2025年産の加工用コメの作付面積は去年から10%以上減少する見通しとなっています。
今年の秋から出回る加工用の米は、市場に出回る量が大幅に減り、さらに価格が上がる可能性があります。
米価格が高騰して生産に前向きな農家が増え、主食用の米については作付けが大幅に増えていますが、その分、加工用の作付けが減りそうということです。