6月11日、福島市が初めて踏み切ったのはゴミの開封調査。ゴミを調べ、出した人を特定し改善を求める方針で、応じない場合は氏名を公表する。果たして改善に向かうのか?後を絶たない悪質な“違反ゴミ”に、福島市が新たな一手に出た。
新条例施行後 初の開封調査
街なかに放置された“違反ゴミ”。出した人に回収を促す赤い警告シールが貼られたが、1週間が過ぎても改善はなかった。そして、福島市の担当者が回収し、向かった先で初めて行われたのが、開封調査だ。

ゴミに関する新条例が施行されてから3ヵ月、初めて市の職員による違反ゴミの開封調査が行われた。

集められたのは、いずれも警告シールが貼られた5つの“違反ゴミ”。段ボールのなかに発泡スチロールなどがあり、分別がされていないものや、植木鉢がそのまま捨てられていたものもあった。
個人を特定できたのは2件
今回の開封調査で、個人を特定できるものが確認できたのは2件。それぞれ別の人が出したゴミとみられていて、市は今後改善を直接求めていく方針だ。

福島市ごみ政策課の根本裕史課長は「今後も引き続きあらゆる手段を捉えて、分別の徹底、適性排出の協力を呼びかけていきたいと思っております」と話した。
ゴミの排出量と開封調査導入の背景
一日・1人あたりのゴミの排出量。福島市は減少に転じているが、まだ福島県や国の平均を上回る状況が続いている。さらに現状を見ると、福島市の令和5年の違反ゴミの件数は9240件に上っている。

スプレー缶などによる発火、市街地に排出された大量の事業系のゴミによるカラスの被害などゴミ問題が深刻になっている。
こうした事態を受けて福島市が導入したのがゴミの開封調査だ。

事業者に対しては、ゴミ集積所への不法投棄を防止するため、大量の生ゴミなど事業系ごみとみられるものが対象になる。
また、市民に対しては、燃えるゴミの袋に資源物が半分以上混入しているものなど悪質性の高いゴミが対象だ。

違反ゴミの行方
11日に開封された違反ゴミの今後の行方だが、開封調査後、まずは対面指導が行われる。その後も改善せず、再び同じ人または事業者からの違反ゴミが見つかれば、同じ流れを通って勧告をする。

3度目の違反ゴミが確認された際には、福島市のホームページに氏名や事業名が公表されることになる。
(福島テレビ)