岩手県盛岡市のすし店で、フグの毒が原因とみられる食中毒が発生した。店で提供されたフグの刺し身を食べた客3人が脱力感や手指のしびれなどの症状を訴え、うち2人が一時入院する事態となった。
盛岡市保健所は有毒部位である肝臓が提供されていたことを確認し2日間の営業停止処分を下した。さらに岩手県警も食品衛生法違反の疑いで捜査を開始し、詳しい状況の解明に乗り出している。

肝臓廃棄せず保管したままの状態

盛岡市保健所は6月9日、フグ毒による食中毒が発生した盛岡市本町通のすし店「ふじわら」に立ち入り検査を実施した。

盛岡市本町通のすし店「ふじわら」
盛岡市本町通のすし店「ふじわら」
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保健所の調査によると、6月5日の夜にこの店でフグの刺し身を食べた3人が、脱力感や手や指のしびれ、呼吸が苦しいなどの症状を訴えた。このうち2人は症状が重く、一時入院する事態となった。

盛岡市保健所の立ち入り検査
盛岡市保健所の立ち入り検査

保健所はフグの有毒部位である肝臓が提供されていたことなどから、店のフグ料理を原因とする食中毒と判断し、6月8日と9日の2日間、営業停止処分を下した。

9日の立ち入り検査では警察の立ち合いのもと、保健所職員がフグの肝臓の適切な廃棄状況を確認したが、検査時点でも店はフグの肝臓を廃棄せず保管したままだったという。

県警も食品衛生法違反の疑いで捜査

一方、岩手県警はこの店について食品衛生法違反の疑いがあるとして捜査を開始した。
フグの肝臓が提供されたいきさつなどについて詳しく調べている。

岩手県警察本部
岩手県警察本部

フグの肝臓や卵巣などの有毒部位の提供は、食品衛生法で禁止されている。
立ち入り検査の結果、保健所はあらためて店に対してフグの肝臓を廃棄するよう指導したという。

保健所によると、盛岡市内で業務としてフグの処理を行う場合は県の認定を受ける必要があるが、この店は受けていなかったという。

フグを食べた3人は現在回復傾向にあるという。

(岩手めんこいテレビ)

岩手めんこいテレビ
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