東京高裁前で掲げられた“不当判決”。13兆円余りの賠償を命じた一審判決は取り消され、原告側に逆転敗訴が言い渡された。

■原告の逆転敗訴
福島第一原発の事故をめぐり、東京電力の株主が旧経営陣5人に対して23兆円余りを会社に賠償するように求めた株主代表訴訟。
6月6日、東京高裁で控訴審の判決があり、木納敏和裁判長は旧経営陣4人に合わせて13兆3210億円の支払いを命じた一審の判決を取り消し、原告の株主側の請求を棄却した。
一審が認めていた津波の予見可能性は否定された。

原告代表の木村結さんは「あの3.11の責任を誰一人取らなくていいんだという判決には、本当に、本当に腹が立っています」と話した。
原告側は、上告する方針を示している。

■判決のポイント
控訴審は一転、原告側の逆転敗訴となった。ポイントになったのが、巨大津波の予見可能性だ。
まずは2022年7月の一審判決。
地震の発生確率をまとめた“長期評価”について「相応の科学的信頼性がある」と位置付けた。その上で、旧経営陣に津波対策を義務付けるものだったとして予見可能性を認め、13兆円余りという巨額な賠償を命じた。

一方、6日の控訴審判決。
「長期評価」は予見可能性を認める根拠としては十分ではないと一転。直ちに対策を講じなったことを「不合理と断じることはできない」と判断し、賠償を命じた一審判決を取り消した。

東京電力は「個別の訴訟に関する内容については、コメントを差し控える」としている。

福島テレビ
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