「令和の米騒動」に立ち向かう人たちを通して、シリーズでコメの需給の混乱について考えていく。6月2日に公表されたコメの価格は、5キロあたり4260円と前の週から25円下がったが、まだ焼け石に水…大盛りを売りにする食堂では、ぐっと耐えて名物を守っていた。
■大盛りごはんを提供
通称「朝ドラ」。創業約50年、福島県矢吹町にある「朝日ドライブイン」は地域に愛され続ける食堂だ。
「朝ドラ」一番人気のメニューは、一日100食近くも売れている「からあげ定食」。カラッと揚がった衣に、香ばしい特製ダレ。福島県内産のコシヒカリは1杯300グラム。プラス120円でさらに倍にできるという。
客からは「お米が高騰しているので、残さないように食べないといけないですね」との声が聞かれた。
■100円値上げも 守りたい
一方、大盛りを売りにするからには無視できない、この「令和の米騒動」。朝日ドライブイン代表の橋本隆光さんは「コメの値段は1.5倍ぐらいになっているから、本当にきついです」と吐露する。
福島県内の農家から仕入れるコメは、年々高くなるばかり。光熱費や他の食材の高騰も重なり、ついに3カ月前に定食の100円値上げに踏み切ったが、その量と味は踏ん張って守りたいと意気込む。
橋本さんは「値上げにはどうしても抵抗があるけど、結局お店がなくなってしまったら意味がない。米騒動で折れているようでは、とっくの昔にお店はやめている。みなさん大変だと言っていますが、それに負けないように」と語った。
騒動に負けてはいられない!地元の味を支える店は正念場を迎えている。