梅雨入りが秒読みとなった今週、横浜市青葉区では田んぼに水が張られ、あちらこちらで田植えが始まった。

田植えは、米の品種や地域によって時期が異なるが、このエリアでは梅雨入りの頃に田植えが行われる。そして、この週末、西から梅雨入りとなってきそうだ。

すでに梅雨入りしているのは、沖縄、奄美、九州南部だが、週末から週明けにかけて西日本、東日本の広い範囲が梅雨入りする可能性が高い。
今から30年ぐらい前、気象学者などの間で、梅雨入り、梅雨明けを予想することはナンセンスだと話題になった。気象学において、季節を分けることは出来ないということだった。確かに、春一番や木枯らし1号には判定基準があるが、梅雨入り、梅雨明けには判定基準が無い。このため、気象庁は1995年に梅雨入りと梅雨明けについて、日付を特定しての発表をやめたことがある。「6月上旬の後半に梅雨入りしたとみられる」となった。ところが、あまりにも評判が悪く、わずか1年で日付を示す発表に戻すこととなった。それ以来、梅雨入り、梅雨明けを予想するのはナンセンスというのはあまり話題にならなくなった。ただ、梅雨入り、梅雨明けに判定基準が無いのは変わっていない。つまり、気象台予報官の判断次第である。テレビで気象予報士さんたちが梅雨入りの予想をしているが、人の心の中を読まなくてはならない時もあるから難しい。
ただ、梅雨入りというのは大雨の季節に入ったというメッセージでもあるので、梅雨入りしたら大雨注意のスイッチを入れてほしい。ハザードマップを確認して、大雨になった場合の行動を家族と話し合ってはいかがだろうか。
執筆:三井良浩(フジテレビ気象センター)