検挙件数が過去最多となった去年の児童虐待事件で死亡した児童が全国で52人に上り、前の年からおよそ2倍に増えたことがわかりました。児童が被害にあった傷害や不同意性交等での検挙も過去最多となっています。
警察庁によりますと、去年1年間の18歳未満に対する児童虐待の検挙は2649件に上り、前の年から264件増え過去最多となっています。
虐待の内訳では、育児怠慢や心理的虐待が減った一方で、性的虐待や身体的虐待が増えています。最も多かったのは「傷害」の1029件で、「暴行」は984件でした。「不同意性交等」は162件に上り、「不同意わいせつ」も228件でいずれも過去最多となりました。
また、虐待により死亡した児童は全国で52人に上り、そのうち無理心中は24人、出産直後に殺害されるなどし亡くなったのは9人でした。加害者での46%は「実父」で、「実母」が26%、「養父・継父」も16%を占めています。
事件が発覚したきっかけのうち、児童相談所からの通報によるものは1047件、学校や病院など児童相談所以外の関係機関からの通報によるものは264件で、いずれも増加傾向にあり過去4年で最多となりました。
警察庁は「警察と児童相談所や市区町村との連携が大切。虐待を早期発見することで、被害児童の早期保護につながる」としています。