立憲民主党の野田代表は6日の記者会見で、皇族数確保をめぐる各党協議で自民党の責任者である麻生最高顧問が前日の麻生派の会合で、女性皇族の結婚後の身分保持だけでなく男系男子の養子案もとりまとめに含まれるべきだとの認識を示したことについて、麻生氏と衆院正副議長の間で今国会では女性皇族の結婚後の身分保持のみ決めることで合意していたと主張し、麻生氏の発言は「ちゃぶ台返しだ」などと批判した。
野田氏は会見で「水面下で議長、副議長と元総理2人(麻生氏と野田氏)で丁寧な議論をやってきたことは事実だ」と明かした上で、「こういう派閥の会合で仲間に触れることをお話をされてしまったら静謐な環境で、政争の具にしないで物事を決めていくというルールが確立できなくなってしまうという強い懸念を持っている」と述べた。
野田氏はさらに「しかも、仰っていることがファクトではない。先週の火曜日にもこの4者の会合があったが、そこで決まったことは、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持をするということについてのみ、この国会では決めていきましょう。養子縁組の案もあるけれどまだ議論が十分ではない。でも少なくとも何も決めないというと、国会の権威の問題になるし、立法府の総意として今最低限言えることは少なくとも決めていかなければ、女性皇族の人生設計に関わることなので、最低限のことは決めていこうということを4者で合意をしている」と明かした。
その上で「その合意をしたことをちゃぶ台返しのような話にするというのは交渉当事者としての信頼性(の問題)になってくると思うので、極めて遺憾だ」と麻生氏を批判した。
野田氏によると、5月27日に野田氏と麻生氏と額賀衆院議長、玄葉衆院副議長の4者で協議し、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持することについての正副議長のとりまとめ案を火曜日に示して、それを踏まえて確認して、党内手続き入っていくことまで決めていたということで、野田氏は「完全にこの話はちゃぶ台返しだ」と強調し、衆院の正副議長による適切な対応を求めた。
男系男子の養子縁組案については、「かなりかみあった議論はできている」と述べ、夏の参院選後に改めて検討する意向を示した。