政府は6月2日まで米穀店向け備蓄米の随意契約を受け付けましたが、低くはないハードルがあり岩手県内でも対応が分かれています。
政府は5月30日から6月2日まで米穀店や中小スーパーを対象とした備蓄米の随意契約を受け付けました。
備蓄米の随意契約とは、業者が価格を提示する「競争入札」とは異なり、政府が一律で販売価格を決めて契約先を募るもので、全国に広く流通させる狙いがあります。
売り渡されるのは、2021年産の「古古古米」です。
店頭での価格は5Kgあたり1800円程度と、現在の平均価格の半額ほどで販売されると想定されています。
街の人からは様々な声が聞かれました。
「ちょっとくらい古くてもいいかな。10kgだと7000円しちゃうから、ちょっと（高い）かなっていうところで」
「おいしいお米を食べたいので（買わない）」
「離乳食を始めているのでおいしいお米、新鮮なお米を食べさせたい」
盛岡市上田の佐々木米穀店では、随意契約の受け付けが始まった5月30日に備蓄米10ｔを申し込みました。
佐々木米穀店 佐々木尚人専務
「来店客が安いお米を探していたり、備蓄米の問い合わせがあったり結構多かった。少しでもお客さまが安いお米で喜んでもらえるよう申請した」
佐々木さんは備蓄米の品質には多少の不安があるため申請通り購入できた場合は、届き次第、状態を確認し精米の際通常より多めに表面を削るなどして販売したいと話します。
佐々木米穀店 佐々木尚人専務
「3年前の米を食べるなんて初めてだと思う。私たちも『こういう食べ方であればおいしく食べられますよ』と提案したい。ブレンドしたりとか何かいい方法を提案したい」
一方、北上市の米穀店「おコメのパディー」では今回、随意契約の申請を見送りました。
契約には最低10ｔからの購入で8月までに売り切らなければならないという条件があります。
この店ではそれだけのコメを収容できる倉庫などがないため、泣く泣く断念したといいます。
お米のパディー店主 齋藤剛さん
「せめて1ｔとかで仕入れられれば。全国にはいっぱい 欲しいけど仕入れられない米屋があると思うので、そこにまで回せるような備蓄米供給の仕方を農水省で考えてほしい」
今回の備蓄米の随意契約には全国で1500件ほどの申し込みがあり、現在政府は契約先を精査中としています。
