コメの価格が3週間ぶりに下落しましたが依然高い水準が続いています。コメの生産者は現状をどう受け止めているのか。そしていまの適正価格とは。

随意契約による政府備蓄米の店頭販売。各地で多くの人が列を作っていました。

新たな局面を迎えた“令和の米騒動”。

6月2日発表された5月25日までの1週間のコメの店頭価格は5kgあたり4260円です。

3週間ぶりの下落ですが依然高い水準で推移しています。

また農林水産省は備蓄米を含むブレンド米などの都道府県ごとの店頭価格を初めて公表。5月29日時点で、価格の中央値が最も高かったのは静岡と三重で税抜き5kg4280円です。

全国の最低価格と最高価格では約1500円の開きがありました。

小泉進次郎 農水相は3日「状況の分析が必要」と話したうえで「議論の一つの材料になれば」と公表した意義を強調しました。

熊崎結萌アナウンサー:
コメの価格高騰が続く中、米農家の方はどのように受け止めているのでしょうか

コメ生産者・鈴木俊一さん:
消費者の皆さんに(生産者の)現状を知ってもらうという分ではすごく良かったかなって思っています

静岡県袋井市で30年コメの生産を続けている鈴木俊一さん。2~3年前から品種を「コシヒカリ」から高温に強い品種「きぬむすめ」に換えています。

猛暑による収穫量の減少に物価の高騰。生産コストも上がっているといいます。

コメ生産者・鈴木俊一さん:
しばらく前から肥料・農薬・燃料もそうですが上がってきていたんですが、コメの値段はなかなか上がってこなかった。経営自体が苦しいというか再生産できるギリギリくらいのところでやっていた

生産者の状況を消費者にも知ってもらうきっかけになったとも話す一方で、現在のコメの店頭価格については―。

コメ生産者・鈴木俊一さん:
自分たちからしてもちょっと高いかなという部分はあるので、やっぱり5kg3000円~4000円末端の価格でというのが消費者も生産者も中間の業者も(納得する価格)。ちょっと幅はありますけど

鈴木さんは随意契約による備蓄米が店頭に並び始めたことも前向きにとらえています。

コメ生産者・鈴木俊一さん:
消費者のみなさんにとって選択肢が増えていいのでは。コメに代わってというのが色々あるので心配はしていますね。けどやっぱりこれだけ影響があるコメなので自信を持って栽培して販売していくってことですね

持続可能なコメの生産へ。生産者も消費者も納得する価格に落ち着く時期が待たれます。

テレビ静岡
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