男によって死亡した被害者は4人となった。10代の女性の自殺を手助けした疑いで6月3日、再び逮捕された福島市の男。これまでの事件を含めて振り返る。

■男女3人の自殺ほう助で起訴

「一緒に自殺をしませんか?」SNSで自殺をほのめかす投稿を探し、メッセージを送っていたとみられる男。福島市の岸波弘樹容疑者36歳。
すでに男女あわせて3人への自殺ほう助などの罪で起訴されている。

■林道の車から20代女性の遺体

第一の事件現場となった福島県田村市にある林道。近くの人によると、この道は登山客が利用するぐらいでほとんど人の出入りがないという。
2025年1月、停められた車の中からいわき市に住む20代の女性の遺体が見つかった。女性の死因は一酸化炭素中毒。練炭自殺をしたとみられている。
林道に案内し、この女性の自殺を手助けした疑いで逮捕されたのが岸波容疑者。これをきっかけに次々と被害が明らになった。

■男の犯行が次々と明らかに

第二の事件現場は福島県喜多方市。通報者は見慣れないテントがあるのを発見した。中から物音などもしないため不審に思い警察に通報したという。
テントの中で見つかったのは、宮城県の男性と埼玉県の男性の2人の遺体。喜多方市の山間にある集落に岸波容疑者が2人を送り届けるなどし、練炭自殺を手助けしたとされている。
現場近くの集落の住民は「自殺する見込みで、よくああいう場所見つけてきたもんだなと思って」と話す。

■犯行の共通点はSNS

岸波容疑者はその後、福島県内の10代女性に対する自殺ほう助未遂の罪などで起訴。
そして、6月3日、10代の女性を誘い出し、山形県上山市の山間部で自殺を手助けした疑いで再び逮捕された。

犯行に共通する点は「SNS」。
一部の被害者には自殺志願者であるように装い、SNSで接触していたとみられていて、スマートフォンのメッセージを削除し、証拠の隠滅を図っていたとみられている。

「相手の望みを叶えるためにやった」これまでの事件で、このような趣旨の供述をしているという岸波容疑者。再逮捕した山形県警察本部がさらに詳しく調べを進めている。

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