これから旬を迎える琵琶湖の名物「アユ」。

しかし今、”記録的な不漁”となっていて、漁業組合などが緊急対策を要望しました。


■これから旬のハズが・・

「ジュ~」

囲炉裏で焼かれる琵琶湖の名物「アユ」。

夏を告げる風物詩として愛されていますが…

【記者リポート】「これから旬を迎えるこのアユの漁獲量が、いま、琵琶湖で減っています」


■「漁師歴35年で一番少ない」とベテラン漁師

琵琶湖のアユに一体、何が起きているのか?

午前5時、アユ漁から戻ってきた漁師を訪ねると…

Qあんまり多くなかったですか?
【琵琶湖の漁師今井政治さん(76)】「この調子や」(少なかった?)「はい」

琵琶湖で最も多く獲れる魚として地元の漁業を支える「アユ」。

しかしこの日、堅田漁港での漁獲量はおよそ30キロで、例年の3分の1程度でした。

【琵琶湖の漁師今井政治さん(76)】「(アユ漁を)35年やっているけど、今年が一番少ないと思います。琵琶湖にはアユがおらんのかなと」

■温暖化で琵琶湖の水温上昇 産卵もエサも減り…

滋賀県の漁業組合などによると、アユの漁獲量は年々減少傾向で、ことしはまさかの過去最低の大不漁に…

温暖化による琵琶湖の水温上昇で産卵量が減り、さらにアユのエサとなるプランクトンも減少…アユが育たない環境となっているのです。

県は去年、産卵期のアユの放流量を増やすなどの対策をとりましたが、さらに減るいっぽう…


■名物「アユの佃煮」も作れない

「アユの佃煮」を作る食品会社では、4月以降、アユが入荷されず、鍋が空っぽの状態となっていました。

【細川食品 細川誠代表】「10年くらい前は滋賀県の特産と言えばアユの佃煮だったが、もう他の事業とか考えなあかんかなと…」


■「総動員で対策する」と三日月知事 

このピンチに3日、県の漁業組合などは、三日月知事に緊急対策を要望。

産卵期のアユの放流量を去年と同じ規模の20トンにすることや、水温が下がる時期に放流する」などの効果的な対策を求めました。

【滋賀県漁業協同組合連合会 佐野高典代表】「廃業を余儀なくされるというような所もある」

【滋賀県 三日月大造知事】「普通やったらピチピチと湖面をはねますよね、あれがことし見られなかった。こんな寂しいことにならんように総動員して対策を講じていきます」

名物の「アユ」を守るため、実効性のある対策が求められます。

(関西テレビ「newsランナー」2025年6月3日放送)

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