日差しが強くなるこれからの季節は、目のある症状に気づくいい機会でもあるんです。
目に現れる「病の“お知らせ虫”」。
視界に小さな黒い点が現れて、まるで虫が飛んでいるように見える「飛蚊(ひぶん)症」ですが、この症状には重大な目の病気が隠れていることもあるんです。
小山内鈴奈キャスターが、東京都内の眼科クリニックを取材しました。
東京・八王子市にある「はっとり眼科クリニック」。
1カ月ほど前から突然、目に異変が起きたという60代の男性が受診していました。
患者(60代):
右目が、黒い虫みたいなのが移動するというか、飛ぶような感じ。虫が飛んでるんじゃないかと思って、たたこうとしても消えるというか移動する。
はっとり眼科クリニック・服部芳伸院長:
症状としては、いわゆる飛蚊症の症状。
このクリニックでは、こうした飛蚊症を訴える方が週に30人ほど訪れています。
そもそも飛蚊症とは、視界に点や線など、さまざまな黒い形状のものが現れる症状で、目を動かすと、まるで虫が飛んでいるかのように一緒に動くんです。
最初こそ違和感があるものの、慣れれば気にならず、日常生活に支障はなく痛みもないため、放置する方が多いということ。
この症状、原因は加齢や近視などが多い一方、重大な病気が隠れていることも…。
はっとり眼科クリニック・服部芳伸院長:
病院に来て検査をして、何もない。生理的飛蚊症というが、そういうケースもある一方で、出血や炎症、感染、網膜剥離が見つかることもある。そういった意味では一つの“虫の知らせ”。
この黒い点は本来、透明な硝子体の一部に濁りができたことにより現れるのですが、この濁りの原因となっているのが網膜剥離など、発見が遅れると失明してしまう可能性もある重大な目の病気なんです。
先ほどの男性は、検査を受けると網膜の一部に穴が開く“網膜裂孔”という病気が見つかりました。
はっとり眼科クリニック・服部芳伸院長:
上の方に1カ所だけ穴が開いている。網膜裂孔。網膜裂孔って破けてるので、広がる時間の問題なので、あとはできるだけ早めにレーザー治療。
患者(60代):
ちょっとドッキリ。一部ちょっと剥がれてると聞いて、「えっ」と思った。
この日、実際にこの病気のレーザー治療を受けに来た患者もいました。
飛蚊症患者(40代):
ずいぶん前から黒い点が視界に映るようになってた。あと2週間ぐらい前からちょっと違和感があって。(どれぐらい前から?)結構、もう1年ぐらい前から。
40代の女性は、仕事の忙しさを理由に1年間受診せず、10日前に初めて受診したところ、網膜裂孔が見つかりました。
はっとり眼科クリニック・服部院長:
できれば早めに、飛蚊症を感じたら眼科で検査を受ける方がいい。
日常の見え方に問題がなくても、異変を感じたらすぐに眼科に行くのが良いということです。
最近は、スマホなど画面の見すぎによる近視が原因で、若い世代にも広がっているんです。
2024年の秋ごろ、朝起きると突然視界に黒い点が現れたという小山内キャスターも、病気の疑いがないか診察してもらいました。
結果は、病気リスクのない飛蚊症ということです。
小山内キャスター:
本当に黒い点が現れた時は消えないのでビックリして怖かったんですけど、問題がないということなので、病院の診断に行くのは本当に大切なんだなと改めて感じました。
そして先生によりますと、病的リスクがなければ特に治療の必要はないということなんですが、突然数が増えたり、見え方に変化が出た場合は再度受診をしてほしいとのことでした。
飛蚊症は、明るい背景を見ると目立ちやすくなります。
外に出た際、青空などを見て黒い点や糸くずのようなものが見えないかをチェックしてみてください。